勤務していた中学校の女子生徒に性的暴行を加えてけがを負わせたとして、準強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた元東京都練馬区立中学校教員の北村比左嘉(ひさよし)被告(57)の裁判員裁判で、東京地裁(細谷泰暢裁判長)は9日、懲役9年(求刑懲役10年)とする判決を言い渡した。

 被告は2010年、当時の生徒と性交し軽傷も負わせたとして起訴された。検察側は「被告に逆らえば学校生活で不利益を受ける」という不安から、被害者は抵抗できない状態だったと主張した。

 事件では、別の元生徒が都教育委員会に被告からの過去の性被害を相談。23年9月になって警視庁の捜査により、被害者らの裸が映った動画を被告が学校内で所持していたことが判明し、10年の事件も立件された。被告は逮捕当時、区立中の校長だった。

裁判では時効も争点に

 被告は裁判で「長年にわたる苦痛を与え、申し訳ありませんでした」と謝罪。しかし、生徒との当時の関係について「付き合っていると思っていた」などと述べ、性的行為に同意があったと主張した。

 また、診断書がないことなどから生徒にけがを負わせたとは言えず、被告の行為が性的暴行にあたるとしても「準強姦罪」にとどまると主張。起訴できる期限の時効が、準強姦罪は10年(準強姦致傷罪は15年)であることから、10年に起きた起訴内容はすでに時効が成立している、とも訴えていた。

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