愛知県岡崎市の内田康宏市長(71)が、市長就任前の2022年5月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「愛知県平和大使協議会」主催のイベントに参加し、「平和大使」の任命状を受けとっていたことがわかった。市議会一般質問で、市が事実と認めた。

 内田氏は6日、朝日新聞の取材に応じ、「どんな団体か知らなかった。選挙を応援してもらったことも寄付してもらったこともない」と語った。

 関連団体との関係について、今月3日の一般質問で鈴木雅子市議(無所属)が市議会で指摘。市幹部が内田氏の代わりに「ご指摘の団体と知らずに参加した」「突然、任命状を渡されたと聞いている」などと答弁した。

 内田氏は取材に対し、20年市長選で落選した翌年、市議の一人に誘われて初めてイベントへ行ったと説明。その後も複数回参加し、そのうちの1回で、平和大使の任命状を渡されたという。

 内田氏は「僕たちみたいな仕事は、宗教団体を紹介されれば縁もゆかりもなくてもあいさつに行く。1票にでもなれば、もうけもん。どんな団体か、当時はよく知らなかった」と述べた。

 22年7月の安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、政治家と教団との関係が問われるようになった。「まずいなと思った。それより先に向こう(団体側)からおわびに来て、『選挙を応援できません』と言われた」という。任命状は事務所に置いたまま忘れていたが、市長就任後の今年11月に返却したという。

 内田氏は2012年に市長に初当選。3選をかけた20年の市長選で敗れ、今年10月の選挙で市長に返り咲いた。

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