名古屋市中区のマンション一室で乳児2人の遺体が見つかった事件で、死体遺棄の罪に問われた半田市の入村恵被告(39)の判決公判が5日、名古屋地裁であった。須田健嗣裁判官は「死の露見を恐れて放置し続けたのは、身勝手かつ無責任といわざるを得ない」などとして、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。
判決によると、入村被告は2013年12月下旬ごろと15~16年の秋ごろ、誰にも打ち明けないまま名古屋市内の当時の自宅の風呂場で出産。乳児2人の遺体を段ボールなどに隠し、発見される今年5月まで放置して遺棄した。実家を出て金銭的な余裕や保険証が無く、一人で出産した。
被告は検察官に「腹を痛めて生んだ子どもであり、無造作に放棄することまではできなかった。一方で、弔ってあげる勇気も出ず、放置し続けてしまった」と供述していたことも明らかになった。須田裁判官は「きっかけは孤立出産だが、自分の考えで実家を飛び出して一切の相談をしなかった判断は悔やまれる」と指摘。量刑については、「反省し、実家に戻って遺体を弔う手続きを進めていることなどを考慮した」と述べた。
弁護側は、17年に転居で遺体を移した時点で「遺棄行為」が終了し、公訴時効(3年)が成立すると訴えていたが、判決は主張を退けた。
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