コメの値上げをはじめ、様々な食品の価格が高騰し家計を圧迫する中、日々の食卓に欠かせない野菜の価格も上がってきています。農林水産省の調査によりますと、全国ではキャベツは417円で例年の約2.4倍、いまが旬の大根は271円で約1.6倍(いずれも1キロあたり)となっています。福井県内のスーパーでも野菜の値上げが相次ぎ、消費者からは「何を買うにも躊躇する」と嘆く声が聞かれました。
         
福井市にある平和堂ベル店でも、夏ごろから徐々に野菜の価格が上がっています。平和堂ベル店の村中秀行・食品店長は「キャベツやレタス、ハクサイなど葉物野菜が去年よりもだいぶ高くなっている」と話します。
   
売り場に並ぶ野菜のうち、キャベツやレタス、キュウリ、ダイコンなどの値段が上がり、前年と比べ1.5倍から2倍で販売されています。
 
特に値段が上がっているのがキャベツで、1玉488円で販売していますが、4分の1や2分の1にカットしたものも用意し、その売り場面積を通常の倍にして対応しています。
 
店によりますと、高値の要因は▼夏の猛暑や異常気象で生育が悪く出荷量が少ないこと▼ガソリン代など輸送費の高騰▼農家の人件費の上昇などが考えられるということです。
  
こうした中、村中店長は「値段が高くなっているので、カット野菜や少量のものを買う人が多くなっている」と話し、客の買い物の仕方に変化を感じています。
 
客は「何を買うにも躊躇する。その日のメニューが決まっていても、高いからやめようとなったり、材料を見てメニューを決めたりしている」「(野菜が)買えなくなってきた。見切り品のキャベツを選んで買っている。1時期は600円だったが、きょうは安いので買ってみようかな」「生活するだけで大変。1人暮らしなので、おかずを少なくして、お菓子をばっかり買っている。パンも好きだからパンもたくさん買う」と対応に苦慮しています。
  
店は少しでも家計を応援しようと様々な取り組みを行っています。「毎週木曜日は、大容量のパックで安い価格にしている。お値打ちな商品を買い求めてもらい、少しでも食卓を豊かにしてもらいたい」(村中店長)
  
ほかにも、毎週木曜日から月曜日にかけて、指定の商品をセットで買うと50円割り引くキャンペーンも行っています。
  
日々の食卓に大きく影響する野菜の高値。
 
「基本的に価格は年によって変わるが、ガソリン代や人件費はなかなか下がりにくく、野菜の値段も下がることは難しい状況」(村中店長)として、この厳しい状況はしばらく続くと考えています。
  
店では今後も、野菜の価格は下がらないとみて、様々な取り組みで消費者を応援することにしています。

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