政府は2日から健康保険証の新規発行を停止し、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移行します。

猶予期間として最長で1年間、これまでの健康保険証を使い続けることができます。

またマイナンバーカードを作っていない人やマイナ保険証の利用登録をしていない人などについては加入している医療保険の保険者からマイナ保険証の代わりとなる「資格確認書」が送られてくることになっています。

利用登録はマイナンバーカードを持っていれば医療機関の窓口やセブン銀行のATM、オンライン上の「マイナポータル」で行うことができます。

利用登録を解除した場合は後日、資格確認書が送られてきます。

保険診療 2日からは3つの方法に

医療機関では主に次の3つの方法で受け付けが行われることになります。

1つは「マイナ保険証」です。

健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードのことです。

医療機関や薬局に設置されている顔認証付きカードリーダーに「マイナ保険証」を置いて本人確認を行います。

2つ目は「健康保険証」です。

最長で来年の12月1日まで使用できます。

ただし「国民健康保険」や「後期高齢者医療制度」の保険証は有効期限が設定されていて、それまでの間、使用できます。

さらに「資格確認書」です。

これは健康保険証がなく、マイナ保険証の利用登録もしていない人などに申請無しで交付されるものです。

「資格確認書」を医療機関の窓口に提示すれば今の健康保険証と同じく保険診療を受けることができます。

一方、「マイナ保険証」で受診しようとしても医療機関が対応していなかったりシステムの不具合で使用できなかったりした場合は、窓口でマイナ保険証と一緒に「資格情報のお知らせ」という書類を提示します。

「資格情報のお知らせ」は、各健康保険組合などから届けられています。

薬局もマイナ保険証に移行へ

医療機関から処方された薬を扱う薬局でもマイナ保険証への移行に備えています。

東京 練馬区の薬局では2年以上前からマイナ保険証を利用した仕組みを導入しています。

薬局の受付には顔認証付きのカードリーダーが設置され、マイナ保険証を置くとこれまでに処方された薬などの情報が確認できます。

マイナ保険証を利用することで患者が誤って古い保険証を出すことなどで生じていた事務作業の負担が減ったほか、お薬手帳がなくても患者の同意があれば過去に処方した薬などを確認できるため、より正確に判断できるようになったといいます。

一方で、この薬局では患者のマイナ保険証の利用率は10%程度にとどまります。

またマイナンバーカードは更新が必要ですが、先月だけで5人ほどの患者がマイナ保険証の期限切れで使えなかったということです。

薬剤師の阪口悟志さんは「マイナ保険証で正確な処方につながるので、これからぜひ使ってほしい」と話していました。

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いま持っている健康保険証は最長1年間は使用可能

これまでの健康保険証の新規発行は行われませんが、いま持っている健康保険証は来年12月1日まで最長1年間は使うことができます。

このうち自営業者などが入る「国民健康保険」や75歳以上が入る「後期高齢者医療制度」の保険証は来年夏ごろなどに設定されている有効期限まで使えます。

それぞれ保険証に記された有効期限を確認して下さい。

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期限迎える前に「資格確認書」の交付も

そのうえで期限を迎える前にマイナンバーカードを持っていない人やマイナ保険証の利用登録をしていない人などには健康保険組合などの保険者から「資格確認書」というカードが交付されます。

「資格確認書」を医療機関の窓口に提示すれば今の健康保険証と同じく保険で受診することができます。

そのための申請も必要ありません。

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マイナ保険証 利用率は15%余り

厚生労働省によりますと、マイナンバーカード自体を持っている人は、10月末の時点で全人口の75.7%に上り、そのうちのおよそ8割が、マイナンバーカードに保険証の登録を済ませているということです。

しかし、実際にマイナ保険証で医療機関を受診したという利用率は15.67%にとどまっています。

手続きが煩雑だったり、別人の個人情報がひも付けられるミスが過去に相次いだりしたことが、背景にあるとみられます。

政府は広報や周知を強化しマイナ保険証の利用促進を図っていく方針です。

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