県都・秋田市よりも「住み続けたい街」がある――。賃貸住宅建設大手の大東建託がこのほど、居住満足度調査「住み続けたい街ランキング」の2024(秋田県版)を公表した。3年連続で1位となったのは三種町だった。

 20歳以上のモニターをインターネットを通じて調査し、県内の計5657人が答えた。モニターが住む自治体について「ずっと住んでいたい」という問いに、「そう思う」「どちらでもない」「そう思わない」など5段階で評価。段階ごとに点数を割り当てて平均値を算出し、順位化した。

 その結果、ランキング1位は三種町、2位は4年連続で秋田市、前回7位だった美郷町が順位を上げて3位に入った。

 三種町の町勢要覧によると、人口は1万5254人(20年度)。県内の他の自治体と同様、人口減少に悩む町だ。特産品はジュンサイ。海水浴場で行うサンドクラフトは名が知れているが、1位となるような決定打は見当たらないように見えるのだが……。

 町企画政策課によると、「子育て世代向けのイベント開催やふるさと学習にも力を入れている」という。

 町内に新築住宅を建てる場合に最大で120万円を交付する住宅取得支援事業補助金、町内全域を網羅する「ふれあいバス」や「巡回バス」、さらに22年7月に開設した子育て交流施設「みっしゅ」といった「町独自の施策が評価されているのではないか」とのことだ。

 調査した麗沢大の宗健教授は「住み続けたいという気持ちの背景には、街の利便性などから来る機能的評価と街の歴史や愛着といった情緒的評価の二つがある」と説明。「秋田県の住み続けたい街の上位は機能的評価よりも情緒的評価の影響が大きい」と分析する。

 「三種町は回答者属性を見ると地元出身が75%、地縁有りが92・5%となっており、地域のコミュニティーへの評価が高いと考えられる」と宗教授。三種町民のあふれる「郷土愛」が、ランキング首位独走の最大の要因なのかもしれない。

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