ここ数年、セカンドパートナーなど、肉体関係を持たずに交際する、既婚者の“プラトニック”な婚外恋愛が注目を集めている。既婚者専用でプラトニックな出会いを提供するマッチングアプリ『Healmate』のレゾンデートル株式会社代表の磯野妙子氏は「(アプリサービスを)立ち上げて2年半が経った。その中で会員数も右肩上がりで増えている。今は累計で25万人、30万人近くにご利用いただいている」と述べた。
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しかし、ネットでは「肉体関係があっても無くても、家族に内緒ならそれって不倫だよね」「心の不倫も十分裏切り行為だと思う」と批判の声も少なくない。肉体関係がなければ、婚外恋愛はOKなのか。『ABEMA Prime』では、磯野氏とプラトニックな婚外パートナーがいるという男性と共に、婚外恋愛について考えた。
■なぜ生まれた?既婚者専用アプリ『Healmate』
そもそも磯野氏が、既婚者専用アプリ『Healmate』を立ち上げた理由は、自身の夫婦関係だったという。「一生添い遂げるつもりで結婚したが、10年ぐらい経つと、子どものことで関係性が悪化してきた。何度か修復を試みてカウンセリングを受けようと誘ったり、子どもの前でけんかはやめてほしいなどしてきたが、改善できずに良い状態ではなくなった」。
“相談相手”や“癒し”を求め、アプリを利用してプラトニックな婚外恋愛を模索したが、存在する既婚者向けアプリは質の低いサービスばかりだった。磯野氏は「例えば軽い関係を求める方、体目的の方とか。そこには私が第二の人生を考えてもいいと思える方はいなかった」と振り返る。
それをきっかけに「私と同じような悩みを持った人が救われないし、逆に傷ついてしまうのではないかという思いが募った。それなら自分で、女性も男性も心のつながりを大切にした付き合いを求める相手とマッチングできるサービスを作ろうと考えた」。
『Healmate』は心の繋がりを重視する既婚者の出会いの場で、肉体関係のみを求める利用者を監視し排除しているという。プラトニックであることへのこだわりについて「やはり婚姻という契約を結んでいることが前提にある。もちろん配偶者、子どもに対して、そこを知られると傷つけるというのもある。けれども、そういう思いの人たちを助けるギリギリのラインがそこだった」と説明する。
本当にプラトニックなのか。磯野氏は「もちろん、そういうスタートを切る方もいらっしゃると思う。また、もしかしたら、その先にそういうことがあるかもしれない。ただ、こちらではなかなか止められない部分があって、葛藤しているところだ」と答えた。
今後、アプリのせいで離婚になったと言われた場合については「今、弁護士さんと提携して、例えば離婚したいけどできない、どこに相談すれば良いのか分からない人に向けて、弁護士と橋渡しするルートを作っている」と述べた。
■アプリでプラトニック婚外恋愛中「家庭にも好影響」
実際に既婚者専用アプリを利用する野中さん(30代)。プラトニック婚外恋愛を進行中だが、「不倫」には否定的である。アプリを利用する目的は非日常体験で、交際中の相手とは食事などのデートをしている。普通のマッチングアプリをやらない理由について「前提として今、家庭がある。お互いにリスク管理ができる関係という意味では既婚者同士のほうが良い」と話す。
野中さんにとって、プラトニック婚外恋愛のメリットは「自身を研鑽するモチベーションがアップする」、「仕事など日々の生活で生産性がアップし活力が生まれる」、「婚外パートナーの存在が逆に家庭にも好影響」だという。
アプリでお付き合いしている方に、もっと踏み込みたいと言われたら、「完全に一線を引く。目的が違う」と即答し、お付き合いしている方と一線を越えたことは「本当にない」と胸を張る。
その理由については、「恋愛感情、愛情表現に関しては妻と子どももいると考えると、そこで別に満たされていないわけではない。仕事での悩み、家庭でけんかがあったり不満が出たりした時に、同じような経験を共有できる方に言うことで、心としてはすごく平穏が保たれると思っている」と説明。
しかし一方で、「歯止めがきかなくなったら怖いので、ある意味で一線は引くようにしている」といい、のめりこんでしまうと「10代の恋愛のような状態になってしまい、そこにちょっとリスクを感じる」と明かした。
■『Healmate』で救われる?社会問題の解決に役立つ可能性も
磯野氏は、会員からの声について「結婚生活で笑えなかった、喜怒哀楽も表現できなかった方たちから、セカンドパートナーと出会うことで自分が人間らしくいられるようになった、呼吸ができるようになった」などが、実際にあがっていると紹介する。
さらに「(『Healmate』には)掲示板があるが、結婚生活で悩んで『誰にも相談できない』、『死のうと思う』という内容の投稿があった。その中で、同じような思い、経験をされた方たちからの励ましの投稿が何十件もあった。実際にそういう方とも話をするが、八方塞がりで、離婚もしてもらえない。かといって家を出る経済力もない。仕事も子どもが小さいからできない。そういう方たちにとってセカンドパートナーに出会うことで救われる、その可能性を私は大事にしている」と続けた。
ジャーナリストの堀潤氏は「(『Healmate』によって)例えば、家庭内暴力をどれくらい防いだのか、虐待をどれくらい抑制するのに繋がったのか、 老後の孤独、孤立に貢献したのか。そういうデータや指標が見えてくると、サービスを立ち上げた時の理念が正当に社会で評価されるのではないか」と考えを述べた。
(『ABEMA Prime』より)
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