令和4年の認知症の高齢者とMCIと呼ばれる軽度認知障害の人は推計で1000万人を超え、高齢者のおよそ3.6人に1人は認知症または予備群と言える状況だとされています。

認知症になると何も分からなくなるなどの捉え方が根強く残ることから、認知症を受け入れることが難しく、社会的な孤立につながっているという課題も指摘されています。

こうした中、新たな基本計画案では認知症に誰しもがなりうることを前提として、認知症になってからも住み慣れた地域で希望を持って生きることができるとする「新しい認知症観」に立つことが示されています。

具体的には、生活において認知症の人の意思が尊重されることや、国民が認知症に関する新たな知見や技術を活用できることなど重点目標を4つ設けています。

また、取り組みの実施状況だけでなく、国民の理解が進んでいるかなど効果を評価するための指標も新たに設け、これらを踏まえて立案の見直しを行うことも重要だとしています。

この基本計画案は政府による認知症施策の最も基本となるもので、来月3日の閣議で正式に決定される見通しで、今後、各都道府県や自治体ごとに基本計画が作られ、施策に反映されることになります。

石破首相「政府一丸で取り組みを」

石破総理大臣は、認知症対策の強化に向けた政府の推進本部の会合で「誰でも認知症になり得ることを前提に、認知症になっても一人一人が個人としてできること、やりたいことがあるという『新しい認知症観』を打ち出した。そうした方々が住み慣れた地域で希望を持って暮らし続けられる社会を実現することが必要であり、政府一丸となって認知症施策を充実させる取り組みを進めてほしい」と述べました。

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