1

3年前、大分市で時速194キロものスピードを出した車に衝突され、男性が死亡した事故の裁判。“過失運転致死罪”か、より量刑が重い“危険運転致死罪”かが争点となりましたが、裁判所は28日、危険運転にあたると判断し、運転手の男に懲役8年の実刑判決を言い渡しました。

この記事の写真

事故があったのは3年前。交差点を右折する小柳憲さんの車に、当時19歳だった男の運転する車が衝突。時速194キロの猛スピードでした。小柳さんはシートベルトがちぎれて車外に投げ出され亡くなりました。

これまでの公判で男は…。

被告
「加速する感覚を楽しみたかった。150キロから170キロを出そうと思ってアクセルを踏み込んだ」

主な争点は、時速194キロが進行を制御することが困難な速度にあたるかです。弁護側は「ぶつかるまでは真っすぐ走れていたので、極端な高速度でも制御困難ではない」などと主張していました。

この点について、裁判長は…。

裁判長
「ハンドルやブレーキの操作のわずかなミスによって、自車を進路から逸脱させて事故を発生させる実質的危険性があると認められる速度といえる。制御の困難性を認識しながら危険運転行為に及んだものと認められる」

そのうえでこう話しました。

裁判長
「法定速度の3倍以上もの常軌を逸した高速度で走行させ、マフラー音やエンジン音、加速の高まりを体感して楽しむために犯行に及んだ。身勝手・自己中心的な意思決定は厳しい非難に値する」

危険運転が適用され、下された判決は懲役8年。男は微動だにせず聞いていたといいます。

遺族の思いは複雑です。

亡くなった小柳憲さんの姉 長文恵さん
「私が最初に闘ってきた危険運転致死罪で認められ、そういった判決になったことはとても大きなことだと思います。ただ、量刑について、自分の中では8年というのを聞いた時に、その後の裁判長の話はまったく耳に入らない思いがして。今後、抑止にならなければならない部分では、量刑はこれでいいのかと」 この記事の写真を見る
・「下半身を露出」通報で“誤認逮捕” アリバイ訴えるも…「犯罪者扱い」に男性怒り・日本人に初「むち打ち刑」20回 強姦罪で判決 シンガポール…禁錮17年6カ月に加え・狙われる家と狙われない家 その“境界線”は?・自販機でスマホ充電…35歳男を逮捕 警察官に“顔パンチ”「殴ってない」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。