2歳の義理の娘に暴行を加えて死亡させた罪に問われた父親に、逆転無罪の判決が言い渡された。今回、会見を開いた父親は、何を語ったのかーー。

「主文は『無罪』だが僕は『無実』です」

28日午後3時過ぎ、弁護士とともに会見に臨んだ男性。

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義理の娘に対する傷害致死などの罪に問われていた、今西貴大さんです。

逆転無罪となった今西貴大さん:
判決の主文は「無罪」でしたが、僕は「無実」です。(主文を聞いたときの気持ちは?)ほっとしました。心臓がドキドキしていたことは覚えています。

28日に大阪高裁は一審懲役12年の判決を取り消し逆転無罪を言い渡した

28日、大阪高裁は一審の懲役12年の判決を取り消し、逆転無罪を言い渡した。

救急搬送から7日後に死亡「虐待の疑い」医師が通報も…

発端は2017年12月、大阪市の自宅で今西さんと一緒にいた、当時2歳4カ月だった義理の娘・希愛(のあ)ちゃんが心肺停止状態で救急搬送されたことだった。

2017年12月に心肺停止で救急搬送された希愛ちゃんは7日後に亡くなった

意識が戻ることなく、希愛ちゃんは7日後に亡くなった。

体に目立ったけがはなかったが、頭の中での出血が確認されたことなどから、「虐待の疑いがある」として医師が警察に通報した。

今西さんは殺人容疑で逮捕後、傷害致死罪で起訴され、さらに強制わいせつ致傷罪でも追起訴された。

控訴審の途中で異例の保釈…そして逆転無罪

2021年に始まった裁判は、希愛ちゃんの死因が争点だった。

検察側は「揺さぶり」などが死因と主張

検察側は「脳の深部にある脳幹が溶けていたのは揺さぶりなど外からの強い力によるもの」と主張した。

一方、弁護側は保管されていた細胞組織から心筋炎を発見したことなどから「心臓突然死だった」と無罪を主張していた。

大阪地裁は、「強い外力がないと生じない」として懲役12年の判決を下した。

ところがその後、異例の事態が起きる。

控訴審の途中で保釈された今西さん(右)

一審で実刑判決を受けているにもかかわらず、控訴審の途中で今西さんの保釈が認められたのだ。

一審の実刑判決を取り消し無罪判決が言い渡された

そして希愛ちゃんの死から7年が経とうとする10月28日午前10時半頃。
大阪高裁は「脳の深い部分に損傷を与えた方法について、検察側は立証していない」などとして一審の実刑判決を取り消し、無罪を言い渡した。

「お前がやったと言えと言われ続けた」と取り調べ時を振り返る今西さん

逆転無罪となり会見を開いた今西さんは「(逮捕された時の思いは)突然の逮捕でびっくりしたというのが初めの印象でした。(取り調べで)お前がやったと、やったと言えと言われ続けたので、怒りを感じる前に苦しかった思いがたくさんあります。独房で過ごした5年半、くじけずに闘い続けて良かったと実感しています」と話した。

一方、検察は判決内容を精査した上で、適切に対応したいとしている。
(「イット!」11月28日放送より)

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