■九重町の観光名所・九重夢大吊橋
2006年10月30日に大分県九重町(ここのえまち)鳴子川(なるこがわ)渓谷に誕生。
高さ173m(日本一の高さ)、長さ390m(日本で2番目の長さ)を誇る大吊橋である。
開業以来、約1300万人が来場し、今では大分県を代表する有数の観光スポットだ。
■楽しみ方の案内人
初めてのテレビ取材で少し緊張気味の、
九重町 商工観光・自然環境課の清川卓史さんに案内してもらい、
九重夢大吊橋の魅力を教えてもらった。
■圧巻の景色!紅葉シーズンの楽しみ方とは?
清川さんとTOSの和田綾香アナウンサーが吊り橋の上へ。
橋の金網から、下が見える構造になっている。
九重夢大吊橋の醍醐味は、一面に広がる渓谷の紅葉。
美しい景色が360度広がる紅葉シーズンは、多いときで一日におよそ3000人が訪れるんだとか。
今年は暖かい日が続いたため、11/8時点で、やっと色づき始めたようす。
例年より2週間ほど見ごろが遅れているんだそう。
■こちらも圧倒!震動の滝
夢大吊橋のもう1つの見どころがこの滝。
橋から渓谷にかかる震動の滝を見ることができる。
向かって左側にあるのが日本の滝百選にも選ばれている雄滝(おだき)。
右側を流れているのが雌滝(めだき)。
つり橋の上から見ると小さく見えるが、実際は雄滝が落差83m、雌滝が93mの巨大な滝で、橋の上からでも流れる水の音が聞こえてくる。
繊細な水流が美しく、はたまた迫力のある水量を見せる時も。
自然の変化が味わい深く、何度も楽しめる景観だ。
■夢大吊橋は実は「夢物語」から始まった!?
今や九重町のシンボルと言っても過言ではない九重“夢”大吊橋だが、
実は、地域住民たちの「あそこに橋があったらいいな」という夢物語が実現した橋なんだとか。
橋の建設について賛否両論がある中、地域の夢物語の実現に向けてある人が動いた。
当時の九重町長である坂本和昭(さかもと・かずあき)さんだ。
当時の坂本さんは「滝が2つあり、紅葉がある。今は鳥しか見ていないが、橋があれば人が見ることができる。今なら技術的に可能なのではないかと思った」と語っていた。
■夢大吊橋の実現にはどんな裏側があったのか
昔は滝の近くまで行くことができていたが、
地震や大雨で、たびたび滝に繋がる道が崩壊し、その姿を見ることができなくなっていた地域の人たち…。
「橋を作る!」語り継がれてきた夢物語が今なら実現できると、当時町長だった坂本さんは思ったのだったが、予想外の事態に直面する。
ちょうど、市町村の合併問題が同じ時期に起こってしまった。
坂本さんたちは「過疎債」(過疎地域とされた市町村が計画に基づいて行う、事業の財源として特別に発行が認められた地方債)を橋の建設に利用しようとしていたが、
同時に市町村の合併にも反対したため、県の裁量で利用が認められなかったのだ。
それを打ち破るのに大変な苦労があったと語る。
■驚きの入場者数を記録
莫大な建設費に、年間来場者数30万人という高い目標。
自信とともに不安も大きい中、ついにオープンの日を迎えた。
すると…
オープンして24日で30万人を達成!
わずか1年で230万8000人が訪れ、入場料収入だけで11億円と驚きの結果に。
◆坂本和昭さん
「来場者があまりに多く、民家の方からトイレを借りるなどがあった。民家のみなさんが温かくしてくれたからよかった」
■魅力は景色だけじゃない!大吊橋を知ってもらうためのユニークな仕掛け
九重“夢”大吊橋は、一度見ただけではなく、リピートしてもらうことが大切だと清川さんは話す。
なんと、メタルバンドがこの橋をイメージした曲を制作しているそうだ。
橋が重い鉄でできているのでヘビーメタル、その名も「橋メタル」。
イメージソングを募ったりとユニークなPRにも挑戦している。
「できっこない」を実現した橋は、今も新たな夢に向かって挑戦し続けていく。
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