大阪高裁前で「逆転無罪」などと書かれた垂れ幕を掲げる弁護士ら=28日午前

 大阪市東淀川区で2017年、当時2歳の養子の娘を虐待し死なせたとして傷害致死や強制わいせつ致傷などの罪に問われた父親今西貴大被告(35)の控訴審判決で大阪高裁(石川恭司裁判長)は28日、懲役12年とした一審判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。弁護側は、娘の心臓の一部から「心筋炎」の所見が見られるなどし、内因性の疾患による突然死だとして無罪を主張した。  21年3月の一審大阪地裁判決は、脳神経外科医らの証言から、娘の頭部に硬膜下血腫などが生じたのは外から加わった強い衝撃が原因と認定。娘の容体が急変した時、2人きりだった被告が暴行したと判断した。被告側は控訴した。  公判では娘の脳内に生じた出血の原因が主な争点となった。検察側は顕微鏡の画像で出血が脳幹にまで見られたとする医師の証言などを基に、外から強い衝撃が加わったと指摘。弁護側は、心停止による低酸素脳症で血管がもろくなるなどした結果生じたと反論していた。  被告は二審の結審後の今年7月、保釈時に親族らを「監督者」に選任する新たな制度により、異例の保釈が認められた。

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