食品への異物混入がSNS上で拡散されることは多々あるが、なかには風評被害もある。
【映像】チロルチョコの“神対応”すぎる投稿(実際の内容)
先日は「チロルチョコに虫混入」とXで投稿され、拡散された。チロルチョコの公式アカウントはすぐさま「毎年発売の季節商品と思われますが、今年は2週間後の発売のため、昨年以前に発売された商品と推察されます」などと投稿した。
そして翌日には「最近購入したという事実は誤認であること、ご自宅での保管状況がよくなかったことが確認とれました」と続報を伝えている。買ったばかりの商品に混入していたのではなく、保管状況に問題があったことが判明したが、企業は謝罪に追い込まれた。
真偽を問わず、SNS投稿で企業は大打撃を受ける。そんな企業リスクに対応するのが、風評被害対策と誹謗中傷を専門で行うブリッツ マーケティングだ。ネットやSNSでの企業の誹謗中傷、炎上事案の対策を専門として、これまで1400社以上対応してきたという。
ブリッツ マーケティングの棚橋夕焼氏は「AIで24時間チェックするツールで、検索エンジンや評価サイト、SNSをひとまとめで、風評がないかチェックする」と話す。同社には食品関連の企業からの相談も増えている。「『商品の中に虫がわく』という投稿が拡散されて、グーグルで調べた時に関連して『虫』と出てしまう。そういう事実はなかったが、勘違いや虚偽でも、結果として事実として拡散されてしまった」。当時の対応を振り返る。
「ネガティブな記事が出たら、ポジティブな記事で埋める。企業タイアップでプレスリリースを打ったり、インタビューなどの情報で記事を作ったり、セミナーを共同でやったりなどで、ネガティブ記事の順位が下がる。『虫』というキーワードに関係ないポジティブな内容を増やしていく」(棚橋氏)
実際のデータを見ると、2023年12月上旬にサービス名で検索した時に「虫」が9位だったが、「最終的に2024年2月頃から非表示化」した。
ブリッツ マーケティングの吉原教一郎代表は、「正直者がバカを見るではないが、企業が必然的に不利になっている。一方的に石をぶつけられる立場で、『これで解決する』というやり方もない厳しい世の中だ」と話した。
国際弁護士の清原博氏は「店では全く言わず、外へ出てからSNSでアップするやり方が増えている」と解説しつつ、「店にとっては風評被害になる。クレームがあるなら直接、店に言う。SNS投稿は最初にやるべきではない」と語る。
過去の炎上としては、「大阪王将」仙台中田店の店内に「大量のナメクジがいた」などとする虚偽の内容をSNS投稿し、偽計業務妨害罪などに問われた元従業員の被告に対して、懲役1年の判決を言い渡した事例などがある。
清原氏は「元従業員の店に対する復讐で、動機が悪質であるため実刑になった。『初犯だから執行猶予が付く』といった甘い考えは誤りで、事案によっては一発で実刑もあり得る」と警鐘を鳴らす。
SNSによる風評被害が問題視される中、東京・西麻布の居酒屋から「虚偽投稿が原因で売り上げが半減した場合、損害賠償を請求することは可能か」との質問があった。これに清原氏は「損害賠償請求は可能だが、裁判のハードルは高い。『売上減少の要因は虚偽投稿だけなのか』を立証しなくてはならず、集める資料も多い。大変だと覚悟する必要がある」と返答した。
大分市の焼き鳥店は、「当店とわかる表現で『ネズミを見た』と書き込まれた。実はネズミはいるが、駆除対策も講じていて、食中毒も出していない。ただ、どこかで噂になっているかと思うと不安で仕方ない。どう対応するのが正解か」と悩んでいる。清原氏は「虚偽ではない」としつつ、「専門業者を呼ぶなど、『こういうネズミ対策を取っている』と、安心してもらえる発信が必要だ」と提唱した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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