福岡県にある認定こども園で11月、“連続窃盗事件”が発生した。盗まれたのは、園に置いてある子どもたちの上履き。一体、誰が何のために盗んだのか。

カメラが捉えたのは、“意外な犯人”の姿だった。

「事件につながったら怖い」園長不安も…

福岡県古賀市の「五所こども園」で、11月6日から2日間にわたり、園児13人分の上履きが盗まれる事件が起きた。

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五所こども園 齋藤圭英園長:
職員の靴とかも同じ所に置いてるんですけど、子どもの分だけがなかったんで…。
変質者とか不審者という言葉がいいかどうか分からないですけど、そういう子どもの事件につながったら怖いなっていうのがあったんで…。

警察が窃盗事件として捜査を開始し、防犯カメラを設置したところ、そこには意外な犯人の姿が映っていた。

連続窃盗犯の正体はイタチだった

下駄箱に近づく小さな影、それはなんと「イタチ」だった。

イタチは、園児の上履きをひょいとくわえると、その場から逃走した。

齋藤園長:
ちょっとびっくりしたというか、ほっとしたというか…。

「暖房効果を高める巣」作るため?GPSで追跡

とはいえ、イタチはなぜ上履きを、それも園児たちのものだけを盗むのか?30年以上にわたりイタチを研究する、筑紫女学園大学の佐々木浩教授は…。

園児の上履きをくわえたイタチ

筑紫女学園大学 佐々木浩教授:
シベリアイタチのオスですね。(イタチは)寒さに弱いというお話をよくするんですけど、2年前に愛知県で同じくシベリアイタチがサンダルを盗んでいって巣にためるということがあったので、暖房効果を高める巣を作っていく過程でそれ(上履き)を利用するというのが可能性としては高いんではないかなと。

イタチは盗んだ上履きをいったいどこに運んでいるのか。それを調べるために、ある作戦が始まった。

佐々木教授:
GPSの機械を靴の中に仕込んで、それを網の外側に置いて…。

上履きにGPSを仕込んで追跡する作戦

上履きを盗まれないよう下駄箱に網をかけ、園の協力を得てその外にGPS付きの上履きを置き、イタチを待った。

GPS付き上履きを準備した翌日現れたイタチ

すると翌朝、早速イタチが現れた。網に驚いたのか、苦戦しているようだった。

佐々木教授:
私たちがセットした(GPS付きの)靴ではなくて、(網の内側にあった)子どもの靴を持って行っちゃいましたね。

器用に網の一部を引っ張って落とし、GPSの付いていない園児の上履きを盗んでいったという。

そこで今度は、上履きを屋内に入れGPS付の上履きだけを下駄箱に入れる作戦に変更。

作戦変更後、イタチはGPS付き上履きを盗み出すも、途中で運ぶのをやめた

すると、カメラの前に再びイタチが現れ、GPS付の上履きを盗み出したが、なぜか途中で運ぶのをやめてしまった。

ではこれまで盗んだ上履きはどこへ?

佐々木教授:
この近辺の古い建物の中というのが(巣がある)一番可能性が高いのかなと。

上履き窃盗犯を巡る“いたちごっこ”は、まだ続きそうだ。
(「Mr.サンデー」11月24日放送より)

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