北海道と本州方面を結ぶ大動脈のJR函館線。脱線事故の影響で不通となった森駅と長万部駅の間は、通常1日約40本の貨物列車が走ります。物流にも影響が出ています。

 「大型書店に来ています。JR貨物の脱線事故の影響で、来るはずだった本が店頭に並んでいない状況です」(飯田 真悟 ディレクター)

 札幌市中央区の「紀伊国屋書店 札幌本店」では、11月18日に発売予定だった雑誌やコミックの入荷が遅れ販売できませんでした。

 「1週間くらい遅れて来たら、週刊誌の意味がなくなる」

 「発売日を楽しみにしているので、できれば正確に入荷してくれるとうれしい」(ともに来店客)

 北海道各地の土産物や特産品がそろう、JR札幌駅に併設された店舗では人気の函館名物の駅弁が見当たりません。

 陳列棚には「本日は列車輸送障害の為、駅弁の入荷がありません」の張り紙が。

 荷物の遅れが暮らしに大きな影響を及ぼす引っ越し。こちらの会社ではたまたまこの期間本州方面からの引っ越しは受注していませんでしたが。

 「普段は多いときは月に約30件の引っ越しを取り扱う。月末には何件か引っ越しの予定があった。列車の運休と重なっていたら、少なからず影響が出ていた」(エール引越センター 市川 慶明 総括本部長)

 影響は農作物にも。北海道東部の士幌町の農協では、JR貨物で出荷予定だったジャガイモをトラックに振り替えました。しかし、トラックが不足し2日分をまとめて出荷できるよう手配を進めているということです。

 また、ホクレン農業協同組合連合会によりますと、北見市ではタマネギやジャガイモなどの18日発送分のほとんどを19日に延期したということです。タマネギは北海道外への輸送の約7割をJR貨物が担っています。

 「ドライバー不足もあるので、すべてをトラックで手配するのは非常に厳しかった」(ホクレン北見支所物流課 七田 有輝 課長)

 北海道新十津川町の農家では、タマネギを個人で本州方面に出荷しています。

 「必ずこの曜日に着いてほしいという予定があるが、物流がいったんストップすると計画通りに届かない。出荷先や相手に迷惑をかけてしまうし、突然のことなので困る」(タマネギ農家 川眞田 潤さん)

 JR貨物によりますと、北海道と本州の間を発着する貨物列車は18日夕方以降から順次運転を再開するとしています。

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