新潮社の編集者久保田裕子さん=10月、鹿児島市

 コアラがオーストラリアから来日し、10月で40年となった。国内最多の通算105匹を飼育してきた平川動物公園(鹿児島市)のコアラのかわいい姿と、不思議な生態を紹介する「すごいコアラ!」が出版された。著者は「コアラ愛が強すぎる」と自負する新潮社の編集者久保田裕子さん。「動物園の舞台裏や、コアラを巡る環境問題に目を向けてほしい」と語る。  1日20時間眠る、胸からギトギトの液体を出す、外見に似合わぬ野太い鳴き声―。本は112ページで、生態に関するエピソードと、もふもふした体につぶらな瞳の愛らしい写真をふんだんに載せ、魅力を伝えている。  コアラが初めて日本に来たのは1984年10月。平川動物公園には雄2匹が来園し、翌年には雌4匹もやってきた。多摩動物公園(東京都)なども受け入れ先となった。現在は全国7施設で飼育されている。  2019~20年、オーストラリアで大規模な森林火災が発生。コアラの生息地も巻き込まれ、やけどを負った痛々しい姿が報道された。「コアラを取り巻く環境問題に関心を持った」という。

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