世界文化遺産登録をめざす佐渡金銀山遺跡について学べる観光施設「史跡佐渡金山」(新潟県佐渡市)で、時価1億5千万円を超す金塊(24金)を展示ケース外に取り出せなくなった。20年以上続く人気の企画だったが、先月に東京のデパートで純金茶わんの盗難事件が起きたことを受け、防犯上の理由で見直された。
施設を運営する「ゴールデン佐渡」によると、金塊を取り出せる企画は2001年の金塊の購入と同時に始まった。重さは12.5キロあり、強化ガラス製の展示ケースに入れられ、ケースには手首が通るほどの円形の穴が開けられている。穴から片手を突っ込み、金塊を持ち上げて30秒以内に取り出せれば、記念に金箔(きんぱく)カード(販売価格1千円)がもらえた。企画は常時実施していて、中止された先月27日までの23年間に3318人が成功した。
先月11日、日本橋高島屋(東京都中央区)で開かれていた「大黄金展」で、プラスチックケースに入れて展示されていた純金製の茶わん(販売価格約1千万円)が男に盗まれる事件が発生。近年の金価格の高騰が背景にあるとみられ、施設としても人の出入りが増えるゴールデンウィークを前に、防犯対策を強化する必要があると判断した。
今後、ケースの穴の直径を狭めたり、穴をなくしたりすることを検討しているが、今のところは金塊に触れてケース内で持ち上げることなどはできる。監視カメラなどによる防犯対策は強化しているといい、担当者は「金塊の重さをなるべく実感していただけるようにしたい」と話している。(茂木克信)
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