番組のカメラが捉えた「野犬の群れ」です。その数、20匹以上はいるでしょうか。 茨城県で今、野犬の増加が深刻な問題となっています。その背景を取材しました。
■「野犬の群れ」茨城で急増 カメラの前にも…
リポーター「いました、たくさんの犬がいます。10匹以上います。中型犬くらいでしょうか、いや、大型犬も混じっています。こちらを見て吠えているように見えます」
8日、取材班が遭遇した野犬の群れ。
リポーター「私たちに気づいて吠えています。襲ってくる様子はありません。なわばりになっているのでしょうか」 ディレクター
「何匹いるのこれ…」 茶色の毛並み、灰色の毛並み、薄茶に、ブチも…。見渡す限りで確認できた数は24匹。いずれも首輪をしていません。 リポーター
「犬の群れのすぐ横には民家も見えます。民家のほうへ向かっていきます」
野犬の群れが居座る畑のそばには、2軒の住宅が建っています。現場は、茨城県の中央部に位置する茨城町。
畑や森が広がる自然あふれる町には、住宅や保育園も立ち並びます。町の野犬は年を追うごとに増え、住民は恐怖におののいていました。 近隣住民「野犬がいることも知らないで散歩して、たくさんいてびっくりして、初日は走って逃げた」 地元ガソリンスタンドの店員
「怖いです。帰ってきて後ろから音がするなって思ったら、後ろに(犬の)グループがワーって後ろから追いかけてきて」
農家への被害も深刻です。
5月、農家の敷地に現れた野犬の群れです。ハウスの中には2匹、そして外の畑には5匹がじゃれあっています。
今年7月、葉物野菜が野犬の被害にあいました。
被害にあった農業法人「向こうに見えるハウスの外から(野犬が)中に入ってきちゃって」 数匹の犬が連日、穴からハウスに侵入。小松菜を無残に踏み荒らし、被害額はおよそ2万円にのぼったといいます。 被害にあった農業法人
「この辺の小学校では『注意しましょう』 と案内が回っている」
なぜ野犬が増えているのでしょうか。担当者によると、2つの理由があるといいます。
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■野犬の群れどこから?被害深刻化■野犬の群れどこから?被害深刻化
野犬の群れが現れ、農作物などへの被害が深刻化している茨城・茨城町。そもそも野犬はどこから来たのでしょうか。
近隣住民「ここから出てきていて、この奥から出てきて。ここの奥のほうに行くと山につながっているので、おなかもすかせているのかなと」
住民によると野犬は、住宅の裏に広がるうっそうとした森に住み着いているといいます。
近くを取材していると…
野犬でしょうか、首輪はしていません。犬の後をついていくと、30匹以上の野犬の群れが。現場にはかじられたサツマイモ。
「いま森のほうへ戻っていきます」 昨年度、茨城町から県の動物保護施設に収容された野犬の数は、過去最多の239匹。ここ3年でおよそ2.5倍に急増しています。
町の担当者が推測する野犬が増えた理由は2つです。
茨城町生活経済部みどり環境課 猪狩裕介課長補佐「元々、茨城町にそれだけの犬がいたのか、移動してきたのか定かではないが、野犬なので食事をする餌(えさ)場、ねぐらが、茨城町にはそういった環境があると思う」
理由のひとつが、ねぐらにできる森があること、もうひとつが餌場があることです。町は畜産業が盛んで、野犬が出没したエリアには養豚場などが点在しています。
地元ガソリンスタンドの店員「養豚場でも被害があるらしくて。入って子豚を狙って、あとはそこの餌を狙って入っている」
餌場とねぐらがそろった環境で繁殖・急増したのではないかとみられます。
町は野犬の出没するエリアに捕獲器を設置するなどの対策を行い、事態の解消を急いでいます。 この記事の写真を見る(13枚)鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。