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 能登地方の豪雨から1日で10日が経つ。今も17路線28カ所で通行止めになっている。

■唯一のスーパー、2メートル浸水

 捜索が行われていたのは輪島市を流れる塚田川。川の近くでは住宅が流され、中学3年生の喜三翼音さんらが安否不明となっている。

 川の近くの竹やぶから、翼音さんの制服が見つかった。引き続き痕跡がないか調べる方針だという。  大きな被害を受けた輪島市町野町の仮設住宅では、パリオリンピックで活躍したフェンシング日本代表・見延和靖選手、江村美咲選手、菊池小巻選手の3人が復興支援に駆け付けた。 住民
「重たい。最高や」
「ご苦労様でした」
「私こうして(メダル)持ってるので、写してもらえんやろか、記念に。ありがとうございます。うれしい」 仮設住宅で暮らす人
「今ね、みんなワイワイ笑ってるけど、またシーンとなったとき涙も出ますし、金も銀も銅も(首に)かけたよなんて自慢したい。そのときはニコニコするから」

 3人は、家の片づけや泥かき、炊き出しに参加。被災者と笑顔で触れ合った。

江村選手
「私たちが今までは応援してもらってメダルを取ることができて、その恩返しみたいなことになったらうれしいなと思いますし、ちょっとでも元気になったら良いなという思いで来させていただきました」  瞬く間に店内に流れ込む濁流。輪島市町野町で唯一のスーパーは2メートル浸水し、深刻な被害を受けた。浸水被害後、店の入り口には大木が突き刺さり、店は荒れ果てた状態に。 もとやスーパー
本谷一知さん(46)
「これ(大木)が入ってきた時点で、生命の危機を感じましたので」

 取材から6日、再びスーパーを訪れてみると…。

本谷さん
「(Q.手前の部分はかなり泥が)昨日徹夜でやってくださいまして。ボランティアさんです」 先月29日

 商品は店の奥に流され、一面泥まみれだった店内は泥がかき出され、床が見える状態に。片づけた店の一部を開放し、支援物資を配布していた。

 さらに、町野町の被災者に向け、ラジオで情報の発信を始めた。 本谷さん
「炊き出しがあるよとか、支援物資が今こういうふうに来たよと。孤独感を解消したらいいだろうなということで」
「この地域のお客さんで支えられて、この商売を通して僕自身も人間成長できていますし、求められているような形で、できたらなと思います。商売は続けます」

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■老舗和菓子店「被害総額は億」

■老舗和菓子店「被害総額は億」

 店の営業再開へ向け、進み出す人がいる一方で…。

御菓子司 吉野屋
吉野博司さん(49)

「掃除したくても水がきていないもんで。少しずつ泥をとって、中はどうしようかなっていう状況」  創業およそ100年になる老舗和菓子店の4代目・吉野さん。元日の地震により、木造2階建ての工場や事務所の1階部分が押し潰された。他にも輪島市と珠洲市で3店舗を経営していたが、閉店せざるを得ない状況に。  地震で被災後、和菓子店での収入がなくなり、災害ゴミの回収などのアルバイトをしながら12月の営業再開を目指していたが、豪雨はその思いも打ち砕いた。 吉野さん
「(Q.泥水が大量に側溝に詰まっていますね)使おうと思ってたんですけど、(1台)500万近くはするんじゃないかと思うんですけど」
「(Q.被害総額にすると?)億ですね。億いくと思いますね。少しでも使えるものがあればと」
「(Q.再建どうする?)創業的には長いもんで 100年近いんですけど、本音はやりたい気持ちはある。この場所でやるのは難しいのかなという気持ちもありますし、先に進めないというかね」

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■家族はバラバラ「早く元の生活に戻りたい」

■家族はバラバラ「早く元の生活に戻りたい」

 豪雨の影響で、道路が土砂に埋まり一時209人が孤立状態となった輪島市門前町七浦地区。先週、水と電気が復旧している地域への集団避難が行われた。七浦地区にある公民館の館長、升本さんは次のように話す。

升本館長
「物資が来るんで、配布の手配の仕事をしなきゃいけないんで、それを(支援物資)皆さんに届けたい。それだけですね」
「(Q.残ってる地域の方のために、ここにいなきゃならない?)そう思っています」

 避難をせず地域に残る人たちもいるため、支援物資を配る役目を果たしたいと、升本さんは妻とともに七浦地区にとどまった。

升本館長の妻
「『とにかく帰ってくることを楽しみに待っとるからね』って。『待ってます、待ってます』って(集団避難する)みんなを(送り)出しました」

 「安心して戻って来られる場所にしたい」そう決意した升本さん夫妻も、ある決断をしていた。

升本館長
「7人家族やった。息子夫婦と子どもたちが門前町の息子の嫁さんの実家にやっかいになっている」

 この家で一緒に暮らしていた長男夫妻と3人の孫は豪雨被害の後、水と電気のある地域へ避難をした。

升本館長の妻
「(Q.今はバラバラ?)バラバラ。旦那と2人だけ。いつになったらまた一緒になれるんかなって。早く元の生活に戻りたいねという気持ちが強いですね」

 一方で、集団避難後に七浦地区に戻ってくる人もいた。

集団避難後に戻った人
「プライベートないでしょ。水さえ、ここから持っていけば良いですから。道路も通れるようになったし。ですから帰ってきた」

 避難所での生活は気が張るため、仮設住宅に戻ってきたという。

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■「唯一の生命線」県道には辺り一面に土砂

■「唯一の生命線」県道には辺り一面に土砂

 被災地では生活に欠かせない道路や水道など、インフラの復旧作業が懸命に進められていた。冠水や土砂崩れなどにより、一時115カ所が孤立。現在、孤立集落は解消されたが、今も17路線28カ所で通行止めとなっている。  豪雨によって、大規模な土砂崩れが発生した珠洲市大谷町。県道272号では500メートル以上の範囲で土砂が崩れ、住宅を崩壊させた。郵便局も屋根付近まで土砂で埋まり、入り口が見えなくなっている。道路がどこにあったのか分からないほど、辺り一帯に土砂が流れ込んでいる状態だ。 国土交通省 能登復興事務所
相川雅央さん

「唯一の生命線だった県道ということもありまして、大雨で被災したという状況ですので、復旧作業を一生懸命やっている」  元日に起きた能登地震によって、国道249号の大谷トンネルのコンクリートが崩落。  迂回(うかい)路となっていた県道272号は、大谷地区から珠洲市へ向かう唯一の道だったが、今回の豪雨で埋まってしまった。

 先月30日は珠洲市の泉谷満寿裕市長も、道路の復旧現場を視察。

泉谷市長
「家が埋まってる状況ですし、避難所である大谷小中学校と奥の所が分断されてしまっているので、早くつなげられれば」

 重機15台で復旧作業にあたっているが、流木の撤去や柔らかい土砂が作業を阻み、復旧の目途は立っていないという。

大谷地区に住む人
「家はずっと向こう。壊れている所のさらに奥。だからとてもとても(家に)帰れん。長年、この風景を見てきたのに、なんでこんなことになるのか」

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■仮設住宅では1週間ぶりの風呂、洗濯

■仮設住宅では1週間ぶりの風呂、洗濯

 いまだおよそ2000戸で、断水が続いている輪島市。豪雨被害の翌日から名古屋市上下水道局の職員10人以上が現地入りし、水道の復旧作業にあたっている。 名古屋市 上下水道局
池野健太さん

「小学校の隣に仮設住宅がありまして、そこの所までは通水」
「(Q.仮設住宅までは解消された?)そちらの方は水が通水しております」  水が通ったという仮設住宅を訪れてみると…。 宮下シズ子さん(77)
「水出ますよ。お水様様やね。助かった」

 3月からこちらの仮設住宅で暮らす宮下さん。1週間ぶりに風呂に入れ、洗濯もできたという。

宮下さん
「(Q.このまま、この街で暮らそうと?)他に行って過ごす選択肢は今のところないね。今さら、金沢かどこか行っても、この歳になって無理」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年10月1日放送分より)

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