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 能登半島での記録的な豪雨で、これまでに7人が亡くなり6人の行方がまだ分かっていません。一時孤立状態となっていた輪島市町野町のスーパーでは、店主が浸水被害の状況を撮影していました。

■娘はどこ…家族も捜索「早く見つけたい」

 連絡が取れなくなって3日目。中学3年生の喜三翼音さんの安否は、いまだ分かっていません。

 23日、輪島市久手川町の塚田川沿いでは、警察、消防、自衛隊など400人体制で捜索が行われていました。

 両親も少しでも手がかりがないか、川沿いに流されたものを確認します。

祖父
「草の生えているところを見てくる。がれきのところは多分みんなよく見てくれてる」

 翼音さんの祖父も、捜索に加わります。

祖父
「大事な孫を1分でも早く見つけたい」

■土砂崩れ、濁流…豪雨の非情な爪痕

 一時、孤立状態にあった輪島市町野町。

 町は停電していて、信号もついていません。道路が崩れ落ちています。

 手前には堤防があったはずですが、崩落しています。大きな穴が開いていて、恐らく水の勢いだと思いますが、えぐられたような状態でなくなっています。

 曽々木地区です。海沿いの道路は土砂崩れが起きて寸断されています。復旧作業が行われていますが、岩肌がむき出しになっています。下には、大きな岩がゴロゴロと転がっています。

 22日午後1時頃の町野町の様子。重機を使い、冠水する道路で堆積する土砂をかき出していますが、その間にも濁流が次々と流れ込んでいます。

 その先には、土砂崩れにより広い範囲で山肌が大きくえぐれています。この画面上だけでも、10カ所以上で茶色い土砂がむき出しになっているのが分かります。

 輪島市の中心部と町野町をつなぐ海岸沿いの国道249号でも、複数の場所で大規模な土砂崩れが発生。さらに、道路が崩落してしまっている場所もあります。

 町野町に通じる道路はすべて通行止めとなり、一時孤立状態になっていました。

 町野町を襲ったのは、土砂崩れだけでありません。

 町の中心部を流れる町野川の堤防が決壊。周囲の水田に濁流が流れ込み、一面茶色く濁っています。

標識も折れて歪んでいる

 町野川の支流・鈴屋川では、厚い護岸壁がもろく崩れ落ちています。標識も折れて歪んでいます。

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■町唯一のスーパー 地震から再起も、次は濁流

■町唯一のスーパー 地震から再起も、次は濁流

 元日に襲った能登半島地震で、住む家を失った本谷さん。 本谷社長
「うちの妻と子どもは、大阪に避難してますので」

 震災当日から両親と店内で生活しながら、電気が通っていない暗い中で営業を続け、被災した人々の生活を支え続けていました。

 しかし23日に店内をのぞくと、店は震災を超える被害を受けていました。

 震災後の店内では暗い中でも棚には商品が並べられ、営業ができていましたが、浸水被害を受けた店内は荒れ果てていました。

本谷社長
「ここに母が寝ていたんです」

 すしなどを作る作業場は、母の寝室になっていましたが、流しもコンロもすべて泥まみれになっています。

 父親が暮らしていた部屋は…。 本谷社長の父親
「これが子どもたちが作ってくれた部屋」
「(Q.ベッドはいつ完成した?)きのう完成した。(父親が)きょう初めて寝た」

 本谷さんの子どもたちが力を合わせて、父親のために倒壊した自宅から家具を持ち出し完成させた部屋です。

 父親はここを寝室にしていました。

本谷社長
「まだ、ここで親父寝てるんですよ」
「(Q.ここで今?)寝てます。きょうの朝もここで」
「日本じゃないような」

 震災からおよそ10カ月、日常の生活がようやく戻って来たところでした。

本谷社長
「被害総額は億を超えていますよね」

 本谷さんは壊滅的な被害にも目を背けずに、店の再開を目指します。

本谷社長
「今後、商売続けるんですけど、まだ時間が必要やし、考えて動いていこうとは思ってます。割と前向きです」

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■ブランド新米 田んぼに濁流「出荷できない」

■ブランド新米 田んぼに濁流「出荷できない」

 非情な雨は、ちょうど収穫時期を迎えた新米にも大きな被害を与えました。

 町野町の山間の集落、金蔵地区。集落へ向かう道路は、大量の土砂に覆われ通行できず、一時孤立しました。

 この地域で米農家を営む山下祐介さん。 のと栄能ファーム 代表 山下さん
「(Q.ご自身の田んぼですか?)この雨が上がってから刈ろうかなと思っていた田んぼ」
「(Q.これが水没したような状況だった?)そうですね。一面が水に浸かった」  本来、収穫を待っていたはずのたわわに実った稲穂が、すべて横倒しになっています。なかには、いまだ水に浸かっている場所もあります。  「にほんの里100選」にも選ばれる美しい棚田が広がる金蔵地区。山下さんがここで育てたコメは「金蔵米蔵金」と銘打ちブランド化。栽培から精米までこだわり抜き5キロ9500円と値は張りますが、売り上げは徐々に伸びていました。  しかし、用水路からあふれた大量の雨水がものすごい勢いで山下さんの田んぼに流れ込み続けました。 山下さん
「もう収穫直前なので、本来田んぼには水を入れてない状況だったが、もう排水しきれないっていう状態」

 水に浸かったイネは品質が落ちるため、出荷できない可能性が高いといいます。

 さらに、道路が寸断され、別の田んぼへは向かうことすらできない状態です。 山下さん
「この奥に、実は数枚植えてあったところがありまして。今向こうは見にも行けないので、どういう状況になっているか分からない」

 豪雨の当日、山下さんがこの場所で撮影した映像では、橋の欄干には多くの流木が挟まり、道路はすでに陥没していました。

山下さん
「仮に2、3週間後に通れるようになってから、収穫はできるかもしれないけれど。お客様に販売できる品質ですかって言われると、ちょっと難しい」

 山下さんの水田は、1月の能登半島地震でも甚大な被害を受け、作業小屋は倒壊。田植え機などの農業用機械も下敷きになり壊れました。

 10ヘクタールあった田んぼは亀裂や用水路の損傷で8割が使えなくなり、残った2割ほどで今年のコメを育てていました。

 そこへ追い打ちを掛けるように襲った今回の豪雨。一部は収穫できたものの、間に合わなかった稲は諦めざるを得ないといいます。

山下さん
「心が折れそう、折れたに近い。頑張ってくださいっていう言葉は、もうちょっと逆につらいかなっていう」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年9月24日放送分より)

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