自民党安倍派の裏金問題で処分を受けた堀井学衆議院議員をめぐり、自民党苫小牧支部が今後、堀井議員を北海道9区(胆振地方と日高地方)の支部長として認めない方針を、9区内の各市町村支部に通達していたことが分かりました。事実上、次期衆議院議員選挙候補者の交代要請になります。

 通達は4月25日付。

 関係者によりますと、堀井議員は裏金問題発覚後、次期衆院選に向けて意欲を示していましたが、苫小牧支部は文書の冒頭で「堀井議員の次期選挙に向けた準備活動は、およそ私どもの経験や認識とはかけ離れ、納得できないことばかりだった」と批判しました。

 苫小牧支部は3月、活動が停止状態にある後援会問題の解決策、地元の支持者を回る活動の軽視、自民党市町村支部への対応ーなどの回答を求める意見書を堀井議員宛に出しました。

 ただ、堀井議員は4月6日の関係者への説明会で「回答したらそれ(回答の内容)がマスコミに報道され、一人歩きして自分が不利になるので、答えない」と述べました。

 苫小牧支部は「党の同志に対する話としては不適切であり、極めて不誠実。私どもを”敵”であるかのように話した」と猛反発。「党員や後援会を信用して、真撃(しんし)に向き合おうとしない姿勢は、独善的であり傲慢(ごうまん)な態度と言わざるを得ず、政治家失格」
と突き放しました。

 その上で「私どもは、堀井支部長の対応に心底怒りを覚え、これ以上支部長として認めるわけにはいかないという結論に達した」と通達。「このまま選挙に臨むのであれば到底応援できるものではない」と新しい候補者を選ぶよう求めました。

 苫小牧支部は「6月解散が噂される現在、のんびり構えている余裕はありません。一日も早く結論を」として、5月19日に開かれる、自民党北海道9区支部の臨時役員会で意見を集約する方針です。

 ただ、関係者によりますと、市町村支部では堀井議員の回答に対する受け止めに濃淡があり、一つにまとまるかは不透明です。

 堀井議員は政治資金パーティーをめぐり、所属する安倍派から2196万円を受け取っていましたが、政治資金収支報告書に記載せず、党の役職停止処分を受けました。一方で、北海道9区支部長として活動をは続けています。

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