東京メトロは18日、グループ会社の「メトロ車両」が車輪に車軸を取り付ける作業の際、社内で定められた基準を超える圧力で行っていたほか、基準値を超えた場合に数値を基準値内に改ざんする不正が行われていたと明らかにしました。
これを受け、国土交通省は19日午後から、「メトロ車両」に対し、鉄道事業法に基づく特別保安監査を始めました。
国土交通省は、20日、東京メトロの本社に対しても特別保安監査を行い、車両整備のデータの確認や関係者への聞き取りを行い、安全管理体制などを調べるということです。
今月、JR貨物で不正が明らかになったのを受け、国土交通省は、全国の鉄道事業者に対し、緊急点検を行うよう指示しています。
林官房長官「安全確保の仕組みを根底から覆す行為で極めて遺憾」
林官房長官は午後の記者会見で「JR貨物に続いて不正行為が判明したことは鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆す行為で、極めて遺憾だ。国土交通省で厳正に対処する。東京メトロとメトロ車両には改めて安全・安定輸送の確保と再発防止の徹底に取り組んでもらいたい」と述べました。
京王電鉄の子会社でも“車軸取り付けに基準外の圧力”
京王電鉄などによりますと緊急点検の結果、子会社の「京王重機整備」が行った車輪に車軸を取り付ける作業が基準外の圧力で行われていたことが分かったということです。
基準外の圧力で取り付けられた車軸は京王線と京王井の頭線の937本で、基準を超えたり、下回ったりしていました。
「京王重機整備」はほかの鉄道会社の整備も行っていて、京王電鉄の車両以外に合わせて849本の車軸でも問題があることが分かったということです。
整備の現場では取り付けの圧力が基準を外れた場合、数値を基準値内に改ざんする不正も行われていたということです。
京王線と京王井の頭線の車軸には異常が無いことを確認したため運行に影響はないとしています。
京王電鉄は「深くおわびします。検査体制の見直しと管理体制の抜本的改善を含めた再発防止策を引き続き検討します」としています。
この問題を受け国土交通省は、20日から京王電鉄と京王重機整備に対し、鉄道事業法に基づく特別保安監査を行うということです。
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