インターネット上の仮想空間「メタバース」に区役所の開設を目指す東京都江戸川区は26日、区内の東京情報デザイン専門職大学とプロジェクトチームを発足させ、使いやすさを高めるための共同研究に乗り出した。現在、問題となっている課題が解決すれば、6月にも福祉や教育、子育てなど一部の分野で相談や申請手続きを始める。

◆来庁不要 やりとり電子申請より円滑

 区は昨年9月からメタバース区役所の実証実験を障害者福祉課で行っている。障害のある参加者からは、アバター(分身)の基本操作や資料の画面共有などが難しいとの声が寄せられていた。チームの取り組みで、機能改善を図る。

メタバース上であった発足式。江戸川区の斉藤猛区長(中央)もアバターであいさつ

 メタバース区役所は、来庁しづらい人が、パソコンやスマートフォンを使って仮想空間に入って自身のアバターを動かし、区職員のアバターから行政サービスを受ける。電子申請よりも、会話など双方向のコミュニケーションが円滑に取れる利点があるという。

メタバース上で行われたプロジェクトチームの発足式では、斉藤猛区長(左)もアバターであいさつした

 メタバース上の発足式で斉藤猛区長は「来庁不要の区役所によって、究極のバリアフリーを目指していく」と強調した。区は、新庁舎が開設される2030年度にもメタバース区役所を全庁に広げることを目指している。(押川恵理子) 

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