茨城県の国道で撮影されたドライブレコーダーの映像には、前方から逆走する車がものすごいスピードで中央分離帯に衝突して横転する様子が映っています。この車を運転していたのは、高齢の男性でした。
■逆走事故の一部始終
逆走事故に遭遇した女性「本当にバーンとぶつかって、ガーッて感じで」
突然、目を疑うような光景が飛び込んできました。
すごい勢いで突っ込んできた赤い車の進行方向は逆を向いています。逆走です。 映像が撮影されたのは、8日正午すぎ、茨城県大洗町の国道51号です。突っ込んでくる直前には、前を走っていた車のブレーキランプが次々と点灯します。 すると赤い車が横切り、2車線の道路をまたぐ形で逆走。スピードを落とすことなく、中央分離帯へ衝突します。その反動で、赤い車は横転しながら突っ込んできたのです。
後方を捉えた映像では、赤い車が中央分離帯に衝突した後、100メートル近く滑り続けます。そして、後続車に衝突寸前のところで停止しました。次のページは
■逆走事故の直前に2台衝突か■逆走事故の直前に2台衝突か
事故から20分後に現場を通りかかった車のドライブレコーダーの映像です。パトカー、そして消防車の先に、逆走していた赤い車が横転しています。
助手席側がふさがれる形で横たわっていて、運転席のドアとトランクが開いています。 現場を通りかかった人「逆走かなという印象を受けたんですけど、その先見たら、さらに2台が絡んだ事故だったようでして」 逆走した車が止まっていた場所から、さらに先にある交差点の真ん中で、シルバーの車がハザードランプを灯しながら止まっています。左の後輪付近には、激しい衝突の跡がみられます。 さらに道路の左端に止まっている車の脇には、女性に事情を聴いている警察官の姿もありました。 現場近くに住む男性
「(道路の左端に止まっていた車も)側面が全部、前からドア2つ、こすった跡がありました」 逆走車は中央分離帯に衝突する前、この2台の車に次々とぶつかったということです。
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■運転の高齢男性「逆走していない」■運転の高齢男性「逆走していない」
事故に遭遇した人は、警察に通報し、逆走車のドライバーを救助しに向かったといいます。
逆走事故に遭遇した女性「(運転していた男性は)80代後半かなと思うんですけど。お連れの方はご自分で90歳とおっしゃっていたので。(女性は)90歳になって、こんなこと初めてだって…」 逆走車に乗っていたのは高齢の男女でした。夫婦ではなく、知人同士で買い物に出掛けていたといいます。 逆走事故に遭遇した女性
「おばあちゃんが買い物を頼んだから、(高齢男性は)病み上がりだったみたいですけど、運転してもらったと言っていて、おばあちゃんは後悔している感じで」
一方の高齢男性は…。
逆走事故に遭遇した女性「『奥さんに電話したい』と言って携帯電話を出したりしていて、パニックになっているというか操作ができていなくて。自分の荷物が散乱しているのを拾おうとしたりしていたので、そんなのやらなくていいからと」
パニック状態だったという高齢男性は、耳を疑うような言葉を口にしたといいます。
逆走事故に遭遇した女性「(運転していた高齢男性)ご本人が『逆走はしていない』と言っているから、(救助にあたった)皆が『いや逆走だよ』と…」
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■片輪タイヤ痕 急ハンドルか…鑑定人が検証■片輪タイヤ痕 急ハンドルか…鑑定人が検証
現場となった国道には、事故の爪痕が数多く残されていました。
逆走車が乗り上げていった中央分離帯の草は、なぎ倒されてしまっています。そして、反射板のポールも斜めになってしまっています。 さらに逆走車が止まっていた場所には、今もオイル漏れの跡、現場検証のチョークの跡が残っています。 逆走車が止まっていた場所の近くには、車のパーツの破片らしきものが散乱しています。 事故現場のすぐ近くにある歩道橋の上から見てみると、奇妙なことが起きていました。道路を斜めに横切る形で、衝突した中央分離帯まで伸びているタイヤの跡。しかし、それは片方の車輪の跡しかありません。一体どういうことなのでしょうか。 交通事故鑑定人 中島博史さん「動画を見ると、たぶん80キロ以上で走っているようです。正面から車が来ているということで、回避しようと左に急ハンドルを切ると、車の内側が浮くような感じで右の前輪に非常に大きな荷重がかかる」 中島さんによると、逆走車は時速80キロほどで交差点に入り、そこで前から来た車を避けようと左へ急ハンドルを切ったため、遠心力が働き、右側前輪に相当な重心がかかっていたのではないかといいます。 中島さん
「右の前輪だけに跡がつくほどの荷重変化が起きている時は、(運転の)制御はできないと思います」
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■多発する逆走 あわやの瞬間■多発する逆走 あわやの瞬間
猛スピードで追い越し車線を逆走してくる軽トラック。愛知県豊田市の高速道路で撮影された逆走の映像では、運転していたのは80代の高齢男性でした。さらに全国でも相次いで逆走の瞬間が捉えられていました。
千葉県の九十九里有料道路を走行していた際に撮影された映像です。見通しが良く、対向車もはっきりと見える場所を走っていると、正面から軽自動車が猛スピードで逆走してきました。 逆走してきた車は撮影者の車とすれ違った後も、スピードを落とすことなく、そのまま走り抜けていきました。 撮影者「なんでこっちに入ってきたのか分からないです。逆走車と遭遇するとは思わないのでヒヤッとしましたよ、怖いです」 神奈川県茅ケ崎市で早朝に撮影された映像です。片側一車線の道路で車通りもまだ少ない中、走っていると突然黒いワゴン車が逆走してきました。撮影者はカーブを曲がった瞬間、目の前に逆走車が現れ、すぐに減速したことでなんとか衝突を免れたといいます。
あわや事故という場面は他にも…。
10日、宮城県大崎市の交差点で信号待ちの際に撮影された映像です。奥のコンビニから出てくる1台の白い軽自動車がゆっくりと動き出すと、車は進行方向をふさぐようにして逆走します。交差点の信号が青に変わると撮影者は前に進みますが、逆走車も接近してきます。車は右にウインカーを出して正しい進行方向に戻ろうとしますが、なかなか進むことができません。その後、信号が赤に変わり対向車がいなくなると、逆走車は何事もなかったかのように進んでいきました。
撮影者「高齢者マークですかね、ボンネットのところに貼ってあったので。(現場には)中央分離帯もちゃんとありますし、間違えない場所なんですけど、信じられないですね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年9月12日放送分より)
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