101年前の1923年9月1日に起きた関東大震災では、混乱のさなか、東京都や埼玉県などで、朝鮮人が殺害され、日朝協会によりますと、現在のさいたま市ではカン・デフン(姜大興)さん(当時24歳)が犠牲になったことがわかっているということです。
さいたま市見沼区の常泉寺には、震災後、地域の人が建てたというカンさんの墓があり、4日、市民らおよそ150人が出席して、追悼する式典が開かれました。
参加者たちは墓に花を手向けたり、手を合わせたりしてカンさんの死を悼みました。
その後、主催団体が「震災で犠牲になられたすべての方々のみ霊に、衷心より哀悼の意をささげます」とする大野知事から届いた追悼文を代読しました。
主催した団体によりますと、今回、初めて知事に追悼文の送付を要請したということです。
朝鮮人犠牲者の追悼式をめぐっては、東京都が墨田区で行われている式典に知事の名前で追悼文を送るのを7年前から見送っています。
式典を主催した日朝協会埼玉県連合会などでつくる実行委員会の小川満 事務局長は「およそ100年前の出来事ですが、なかったことにせず、これからも事実を伝えていくのが日本人としての責任だと思っています。大野知事には、もう少し踏み込んで欲しかったが、追悼文をいただいたというのはすごく大きな意味があると思います」と話していました。
埼玉 大野知事「すべての人に哀悼の意を示す意味で」
埼玉県の大野知事は、朝鮮人犠牲者を追悼する式典に追悼文を送ったことについて、3日の定例会見で「関東大震災で犠牲になったすべての人に哀悼の意を示すという意味で追悼文を送った」と説明しています。
そのうえで、大野知事は「デマ情報にもとづいて、朝鮮人に対する虐殺があったことについては、県史にもすでに記述されているもので、痛心に堪えない」と述べました。
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