暴行罪で起訴され、無罪判決が確定した名古屋市の奥田恭正さん(67)が、警察が保管するDNA型、指紋、顔写真のデータ抹消を国に求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁(長谷川恭弘裁判長)は30日、一審名古屋地裁判決に続き、データの抹消を命じた。
2022年1月の一審判決は無罪確定者のデータを継続的に保管する場合、余罪の存在や再犯の恐れなど具体的な必要性が示されるべきだと指摘。奥田さんについて、余罪や再犯の可能性を認めるのは困難で「データを保管すべき具体的必要性は示されていない」とした。
一審判決などによると、奥田さんは16年10月7日、自宅近くのマンション工事現場で、現場責任者の男性を突き飛ばしたとして、愛知県警に暴行容疑で現行犯逮捕され、DNA型などを採取された。地裁は18年、「被害男性の証言を全面的には信用できない」として無罪を言い渡し、その後確定した。〔共同〕
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