栃木県那須町の河川敷で夫婦の焼損した遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された男が「大金を受け取って引き受けた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。男は「遺体の処理を頼まれた」と話しており、警視庁と栃木県警の捜査本部は報酬目的だった可能性もあるとみて調べている。
建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=は会社役員の宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)=東京都千代田区=の遺体に16日に火をつけ、損壊した疑いで21日に逮捕された。
捜査関係者によると、平山容疑者は事件発覚の2~3日前、越谷市内のホームセンターなどでガソリンや携行缶、着火剤、粘着テープなどを購入していた。
平山容疑者は捜査本部の調べに、指示役の名前を出さないまま、「大金を受け取った」と供述。現時点で平山容疑者の自宅や銀行口座からは報酬とみられる現金は確認されていないといい、捜査本部は慎重に調べる。
平山容疑者は「自分は他の2人に依頼した」とも供述。東京都品川区内のコンビニエンスストアで15日夜、自分の車を2人の人物に引き渡しているのが確認されている。車は同区内の住宅に向かい、そこで16日午前0時ごろに夫妻と接触したという。車はその後、栃木県に向かった。
この住宅のガレージからは血痕が見つかり、車からは幸子さんの血痕や免許証のほか、結束バンド、粘着テープが見つかっている。捜査本部は夫婦はこの住宅で襲われたとみている。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)
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