宮崎市内のグラウンドで落雷があり、熊本県立鹿本高校のサッカー部生徒が救急搬送された3日の事故で、現地にいた監督らスタッフが市内に出ていた雷注意報について認識していなかったことがわかった。熊本県教育委員会が、スタッフらから聞き取った事故の状況などについて8日、会見を開いて説明した。
県教委によると、監督らは、3日午前11時半ごろ、複数回の雷鳴を遠くで確認し、練習試合の休憩時間を延ばしたり、監督同士で雨雲レーダーを確認したりしていた。晴れ間も見え、雷鳴も聞こえなくなったことから試合などを続けていたところ、午後2時半ごろ、突然グラウンドに雷が落ちた。事故当時は市内に雷注意報が出ていたが、現地のスタッフは認識していなかったという。
落雷時に試合の準備をしていた鹿本高校の生徒4人が倒れ、うち2人は応答がないまま救急搬送。2人を含む18人が病院に運ばれて手当てを受けた。8日現在も1人の意識がなく、病院での治療が続いている。退院したが、引き続き通院している生徒もいるという。
県教委は事故を受け、5日から高校にスクールカウンセラーを派遣。時期を見て生徒への聞き取りなどを予定している。県教委体育保健課の浜本昌宏課長は「現時点では明らかに安全配慮義務違反があったかどうかは判断しづらい」として、さらに検証を進めていく考えを示した。今後、落雷事故防止に関する教職員研修などで再発防止を図るなどとしている。(杉浦奈実)
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