熱帯の海上で発生する低気圧のうち、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/秒以上で、東アジアや日本に向かうものを台風と呼ぶ。日本列島付近では、上空の偏西風に乗って速い速度で北東に進むケースが多い。
台風の発生数は年によってばらつきがあるが、1951~2023年までを平均すると年26回。そのうち、日本に上陸するのは平均で年3回程度だ。
台風は暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒になるときに放出される熱をエネルギーとして発達する。このため、発生数、上陸数ともに水温が高い海域が増える7~10月に集中し、この時期に大雨による水害や土砂崩れなどが発生することが多い。
特に、日本列島付近に秋雨前線が停滞する9月は、台風の東側を回って湿った空気が前線に流れ込み、活動を活発化させるため災害が激甚化することがある。
「レベル4=紫」は全員避難
内閣府防災担当がまとめた避難情報に関するガイドラインでは「自らの命は自らが守る」る意識を持ち、自らの判断で避難行動をとる方針が示されている。
この方針に沿って、気象庁や自治体が発表する防災情報には5段階の警戒レベルが明記されることになっている。
レベル | 避難に関する情報 | とるべき行動 |
---|---|---|
5 | 緊急安全確保 | 命の危険! ただちに安全確保 |
警戒レベル4までに必ず避難 | ||
4 | 避難指示 | 全員避難 |
3 | 高齢者避難 | 高齢者等は避難 |
2 | 大雨・洪水・高潮注意報 | 自らの避難行動確認 |
1 | 早期注意報 | 災害への心構えを高める |
内閣府の発表資料などを基に編集部作成
具体的には、気象庁の大雨や洪水の「注意報」はレベル2(黄)で、自らの避難行動を確認する。レベル3(赤)は、高齢者や体の不自由な人は避難、高齢者以外の人も日常の行動を見合わせたり、避難の準備を始める。レベル4(紫)は地元の自治体が避難指示を発令する段階で、「全員避難」が必要だ。レベル5(黒)は既に災害が切迫していたり、発生してるため、ただちに安全確保をしたい。
市町村が防災行政無線や防災アプリなどを通じて住民に避難情報を流す際や、テレビなどの防災情報にも、警戒レベルを色で示して伝えている。「黄」「赤」で危機意識を高め、「紫=レベル4は全員避難」「黒=レベル5は命を守る」ことを心に留め、適切な準備、迅速な行動を取る必要がある。
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