米軍による広島市への原爆投下で被爆死した米兵捕虜の氏名や生年月日、階級といった身元を詳述した米軍公文書が13日までに明らかになった。遺骨を回収して横浜市の墓地に埋葬後、米国に送還した経緯も判明した。「原爆で死亡」「8月6日に広島で戦死」などと記録され、10~20代の米国の若者も原爆の犠牲となった実態が改めて裏付けられた。共同通信の情報公開請求や照会に対し、米陸軍省と米国立公文書館が開示した。
米兵の被爆死を巡っては、今年1月に見つかった連合国軍総司令部(GHQ)の捜査報告書で「広島に原爆を投下した結果、米兵12人死亡」と結論付けていたが、わずか1ページで、氏名などの身元情報は含まれていなかった。
今回の文書は、兵士の身元や埋葬情報を米軍がまとめた「死者の個人ファイル」。広島で被爆した歴史研究者の森重昭氏(87)が独自調査で公表した12人の氏名に基づき、全員分が開示された。1人当たり約30~150ページで歯の照合資料や遺品リスト、遺族への死亡通知なども含まれる。
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