栃木県那須町の河川敷で男女2人の焼損した遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された男が「遺体の処理をある人物に頼まれ、自分が他の2人に依頼した」と供述していることがわかった。事件の連絡に使った自分のスマートフォンについて、指示役の求めで「事件後に渡した」とも話しているといい、警視庁と栃木県警の捜査本部は証拠隠滅の意図とみて調べる。

 建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=は会社役員の宝島龍太郎さん(55)=東京都千代田区=と妻とみられる女性の遺体に火をつけ、損壊したとして21日に逮捕された。

 平山容疑者は事件発覚前夜の15日午後9時半ごろ、自分名義の黒のセダンタイプの車で東京都品川区のコンビニエンスストアを訪れ、2人の人物と合流。平山容疑者は徒歩で立ち去り、2人が乗った車は同午後11時半ごろにコンビニを出た後、16日午前4時ごろに栃木県内を走行していた。

 車は18日に押収され、後部座席やトランク内には死亡した女性の血痕が付着していた。車内からは宝島さんの妻の免許証や結束バンド、粘着テープも見つかっている。

指示役の名前出さず 「怖い人」

 捜査関係者によると、平山容疑者は事件2~3日前からガソリンや粘着テープなどを準備。指示役の名前を出さないまま、「遺体処理を頼まれた。自分は2人に依頼した」と供述し、自分の車を2人に貸したという。2人とやり取りしていたスマホは17日朝に出頭する前、指示役に「出せ」と言われ、渡したと説明しているという。

 指示役について「怖い人」と説明し、2人については「知人だがニックネームしか知らない」と供述しているという。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)

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