◆和解を急いだ背景は
支援者らにオンラインで和解の成立を報告する西スミ子さん=31日、東京都内で(弁護団提供)
弁護団によると、西さんの訴訟は9月に次回の期日が予定されていたが、本人の体調が悪く、和解を急ぐ方針を決めたという。 和解の成立後、西さんは支援者へのオンライン報告会で「とてもうれしい。皆さんのおかげです。一生懸命、また生きていこうと思います」と力を込めた。◆岸田政権は速やかに和解によって解決を図る方針
西さんは生後間もなくはしかにかかり、脳性まひが残った。初潮を迎えた14歳のころ、入所先の医療施設から「生理がなくなるから」とだけ説明され、不妊手術を受けた。交際相手との結婚を控えていた20代後半のとき、手術を受けた病院を訪ね、子どもを産めない体になったと初めて知った。2022年9月に提訴していた。 旧法を巡っては、被害者ら39人が全国12の地裁・支部に提訴。うち5件の訴訟で、最高裁大法廷は国の賠償責任を認める判決を言い渡した。岸田文雄首相は各地の原告らに謝罪し、継続中の訴訟は速やかに和解によって解決を図る方針を示した。 弁護団は、他の訴訟での和解に向けた協議を政府側と続けており、今夏中に和解内容についての基本合意を目指す。関哉直人弁護士は「高齢の当事者が元気なうちに解決できるよう進めたい」と話した。(太田理英子) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。