自民党の広瀬めぐみ参院議員(58)=岩手選挙区=が、勤務実態がない公設秘書の給与を国からだまし取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は30日、詐欺容疑で広瀬氏の議員会館の事務所(東京・永田町)などを家宅捜索した。広瀬氏は同日、自民党を離党した。

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 特捜部は、秘書給与をどう管理したのかなどについて、広瀬氏から任意で事情を聴く方針。捜索は、東京都内の広瀬氏の自宅や盛岡市の地元事務所、岩手県遠野市にある公設秘書の関係先にも及んだ。この日午前、捜索中の自宅に戻った広瀬氏は報道陣に「あとでしっかりと説明する」と話した。しかし31日午前9時すぎ、自宅から出た広瀬氏は報道陣の問いかけに答えず、無言で車に乗り込んだ。

 広瀬氏は弁護士で、2022年の参院選(岩手選挙区)で初当選した。関係者によると、広瀬氏は同年12月~23年8月、公設第1秘書の妻を公設第2秘書とした。だが、公設第2秘書には勤務実態がなく、広瀬氏は計数百万円分の秘書給与を国からだまし取った疑いがあるという。公設第2秘書は昨年8月、事務所を辞めている。

 この問題は今年3月に週刊誌が報道し、広瀬氏は自身のホームページで「(秘書の)勤務実態があった」と反論した。そのうえで、公設第2秘書の勤務内容について①平日は主としてリモートワーク②土日は盛岡市の事務所での事務作業や(広瀬氏の)送迎――と説明した。

 「政治とカネ」の問題をめぐっては、今月18日、堀井学衆院議員(52)=比例北海道ブロック、自民党を離党=が、選挙区の有権者に秘書を通じて香典を配ったとする公職選挙法違反容疑で特捜部の捜索を受けている。

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