今年上半期(1~6月)に警察が把握した刑法犯は35万350件(暫定値)で、前年同期から5.3%増えた。警察庁が30日に発表した。増加は2年連続となる。

 上半期の刑法犯は2022年に戦後最少となったが、昨年は21年ぶりに増加。今年も増加し、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に戻りつつある。警察庁はコロナ対策が緩和され、街に人出が戻ったことが影響したとみている。

 今年の件数増加の要因は窃盗犯と詐欺だ。窃盗犯は3.6%増の23万6951件。太陽光発電所のケーブルなどを狙った金属盗が目立った。詐欺は27.7%増の2万7195件で、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺が増えた。

 殺人などの重要犯罪も増え、32.7%増の6810件だった。特に不同意性交93.1%増と不同意わいせつ33.9%増が目立つ。昨年7月に強制性交などの構成要件を変えた改正刑法が施行され、不同意性交などになった。性犯罪について相談しやすい環境が整備され、件数が増えたと警察庁はみている。(板倉大地)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。