毎朝、登校する子ども達を見守り続けてきた90代の男性たち。一番の古株は80年もの間その活動を続けてきました。19日、ついに迎えた最後の一日に密着しました。
■80年間、子どもたちを見守る人も…
スカイツリーを仰ぎ見る・東京の下町、墨田区押上。「変わらない日常」を守り続けた人たちがいます。 清水好雄さん(90)「(Q.それはいつも持っていく?)これで、交通整理をする」
清水さんは毎朝通学路に立ち、30年もの間子どもたちの安全を見守ってきました。
清水さん「暑くても、雪が降っても、雨が降っても、学校がある限りは出ているんです。勤めている人もあいさつしてくれます。『ご苦労様』と言ってくれるので、そういうのも楽しい」
道ゆく人のほとんどは顔見知りです。
通行人「映画俳優みたいだね!」
しばらくすると…。
登校する子ども「おはようございます」
小学校に通う子どもたちを見守るボランティアは現在9人。なかでも一番の古株は、小幡昇治さんです。
小幡さん「(Q.ご年齢は?)俺?聞くなよ、そんなこと(笑)。99歳(数え年)。公称88歳と言っている(笑)」 大正14年生まれの98歳。「子どもの笑顔を守りたい」との思いから、18歳の時に地元の有志と共に見守り活動を始めた小幡さん。以来80年間、この地に立ち続けてきました。 小幡さん
「(Q.なぜ見守りを?)なんで立っているか?そういう難しいこと聞かないで(笑)」
「(Q.子どもの笑顔?)それもあるけどね」 近所の住民
「親御さんたちも安心できるみたい。結構まとまっている。この地域は」
昔も今も変わらないのは、好奇心旺盛な子どもたちの姿。
長く活動を続けてこられたのも、子どもたちから力をもらっているからだといいます。
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■気持ちに変化?「元気でいる間は続けます」■気持ちに変化?「元気でいる間は続けます」
しかし、担い手不足もあってメンバーは高齢化。90代の3人は、体力的に厳しくなってきたため、1学期が終わる19日で、活動を最後にすると決めました。 高埜三郎さん(93)「子どもの元気な顔が見られるので、良かったなと思う」 小幡さん
「(Q.思い出に残っていることは?)たいして残っていることはないね。もう毎日だからさ。思い出になる大事件はないしさ、何事もなかったということだよね。天下泰平で来たから、記憶に残るようなことはないよ」
見守りの効果もあってか、これまで子どもの事故は1件もなし。「変わらない日常」こそが大切なことだと、今実感しているといいます。
清水さん「何もなかったことが一番いいんだよね。でもね『朝、ここに出なければ』と。その気持ちは毎日変わらない」
19日も、子どもたちの元気な姿に触れた清水さん。気持ちに変化があったようです。
清水さん「(Q.きょうで最後?)いや、まだ続けます。元気でいる間は続けます」
「(Q.あと、どれくらい?)わかんない、死ぬまでやるかどうか(笑)」
(「グッド!モーニング」2024年7月20日放送分より)
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