栃木県那須町で4月、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、東京地検は18日、会社役員の関根誠端(せいは)容疑者(32)=東京都世田谷区=、夫妻の長女で同容疑者の内縁の妻の宝島真奈美容疑者(31)=同=ら7人を殺人罪で起訴し、発表した。

 2人のほかに殺人罪で起訴されたのは、会社役員の前田亮(36)=千葉県船橋市=、職業不詳の姜光紀(カングァンギ)(21)=神奈川県大和市=、元俳優の若山耀人(きらと)(20)=住所不定=、職業不詳の佐々木光(28)=同=、建設業の平山綾拳(りょうけん)(25)=埼玉県越谷市=の5容疑者。

 起訴状などによると、7人は4月15~16日、共謀して東京都台東区の路上から品川区の空き家までの車内で宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)に睡眠薬を混ぜた飲み物を摂取させ、空き家のガレージで首を絞めるなどして殺害したとされる。

 また、警視庁と栃木県警の捜査本部は18日、真奈美容疑者が夫妻の遺体の損壊や遺棄についても6人と共謀した疑いがあるとして再逮捕した。

 夫妻は東京・上野で十数店の飲食店を経営し、関根容疑者は「マネジャー」として数店舗の経営を任されていた。捜査本部は、関根、真奈美両容疑者が夫妻と経営方針を巡ってトラブルになり、関根容疑者が夫妻の殺害を計画したとみている。

 関根容疑者が店の客引きをしていた佐々木容疑者に報酬を示し、夫妻の殺害を指示。佐々木容疑者が平山容疑者に仲介を依頼し、平山容疑者と東京・渋谷のクラブで知り合った姜、若山両容疑者が報酬目的で殺害行為を引き受けたと捜査本部はみている。前田容疑者は、夫妻が店舗を出店する際に物件紹介を担っていた不動産仲介業者で、事件現場の空き家まで夫妻を連れ出したという。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)

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