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 山形県議会で成立した、県民に「笑い」を求める条例が物議を醸しています。

■全国で初? 「内心の自由」侵害の声も

山形県 吉村美栄子知事
「やや戸惑ったようなところもございますけれど、県民が安心して笑って過ごせる県政に全力を挙げるのが、私の役割だと思っています。そういうことです」

 そう語る知事の表情は、苦笑い。議論を呼んでいるのは、今月5日に山形県議会で成立した「笑いで健康づくり推進条例」です。

 笑いに関する条例の制定は全国で初めてとみられ、県民には「1日1回は笑うことなどに努める」ことを求めています。

 条例案を提出した自民党の議員に、その狙いを聞いてみました。

自民党 渋間佳寿美県議
「笑うことについては特段、労力もお金も必要なく、その場ですぐ笑えるということで、健康づくりに非常にいい」  また毎月8日を「県民 笑いで健康づくり推進の日」と定めることも盛り込みました。

 しかし、笑いとは本来、自発的に生じるもの。それを条例で定めてしまうことに議会では「内心の自由を侵しかねない」といった異論も出ました。

反対派 県政クラブ 石黒覚県議
「世の中にはいますね、笑いたくてもなかなか笑えないという。その人たちの日常を条例で縛るのか」

 条例に詳しい専門家はこう話します。

一橋大学 大学院法学研究科
市原麻衣子教授
「1日1回笑わないといけないと条例で制定することによって、『笑うわけないじゃない』という反応を呼び起こして笑わせる、そういうギャグかと思いました、最初」

 また、専門家は人の感情に関する条例が全国に増えつつあることにも懸念を示しています。

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■「大好きだと叫んでみて」プライド条例も

■「大好きだと叫んでみて」プライド条例も

 去年、「大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか、川口プライド条例」という条例が成立しました。

 「川口プライド」を育むことが目的だといいますが…。

川口市民 20代
「ちょっと恥ずかしいかな。言いたい人が言えばいいんじゃないですかね。まあ別に条例にしなくてもいいんじゃないかなとは思います」 川口市民 40代
「(条例は)知ってますが、叫んではいないです。住んでいる人間としては、その条例を意識してることも特になくて、自分は叫ばないと思いますけど」 川口市民 40代
「皆、心の中でずっと叫んでると思いますが、声を出しては特に。でも、ずっと大好きです」  こうした市民の気持ちに働きかける条例は、他にも神奈川県相模原市(「さがみはら みんなのシビックプライド条例」)や愛知県豊田市(「WE LOVE とよた」条例)などで近年、相次いで制定されていますが、専門家はこうクギを刺します。 市原教授
「各自治体が啓蒙(けいもう)活動をしようとしていて、例えば笑いの重要性とか、あるいは地元愛みたいなものというのを活性化させたいという気持ちは分かりますが、それはおそらく本来は条例でやるべきことではない」

(「グッド!モーニング」2024年7月17日放送分より)

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