およそ30年ぶりの措置です。神奈川県の人気観光地・江の島で騒音に悩む住民のため、夜の間、島へつながる橋が封鎖されました。
■人気観光地 夜は静かな世界になるはずが…
神奈川県藤沢市の人気観光地・江の島へ続く橋。多くの警察官や警察車両で物々しい雰囲気に…。島では長年にわたり、ある問題に悩まされてきました。 3連休初日の江の島は少し雨が降っていましたが、お土産屋などが並ぶ細い道は観光客でいっぱいになっていました。外国人観光客も多く訪れ、お祭りの神輿(みこし)が練り歩いて、にぎやかな週末でした。
新潟からの観光客(30代)「コロッケ食べて。さっきお酒飲みながら、大きい“たこせん“食べて」 県内からの観光客(小4)
「イカ食べている」
「(Q.おいしいですか?)はい」 3連休を楽しむ日中のにぎわい。夜は300人いる住民の静かな世界になるはずが、島には爆音がとどろきます。大きな音を鳴らしながら、島に入ってくる車やバイクです。 70代
「夜眠れない時ずいぶんあったんだけど。“朝まで眠れない”ずいぶんありましたよ」 50代
「ずっとだよね」
「警察がいない時は遅くまで」
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■年間1500件の通報…警察が対策強化■年間1500件の通報…警察が対策強化
江の島の騒音トラブルは今に始まった話ではありません。今からおよそ35年前、1989年には警察官が道路の真ん中に立って、走行する車両をチェック。音の大きさを測定したり、道を封鎖したりして対策を取ってきました。 暴走族は減りましたが、騒音問題は残ったまま。江の島は午後10時以降、通行許可証のない車両が入ることはできませんが、標識に気付かない観光客などが入り込むことがあり、住民は騒音に苦しめられてきました。 江の島振興連絡協議会湯浅裕一会長
「江の島にたくさんの方が来てくれることはいいこと。いずれにしても、適度な常識でお願いしたいなと」 こう話すのは、200年以上の歴史がある和菓子屋を営む男性です。見せてもらった資料には、直近1年間の通報件数1500件の文字があります。 湯浅会長
「警察も取り締まりをやってくれるんですよ。苦情の電話が入る度に。警察が引き上げると、また戻ってくるという“いたちごっこ”だから、キリがないんですよね」
人気観光地で騒音トラブルは繰り返されてきました。
80代「ここから見える上の方の人たちが結構きついみたい」 道路のすぐ裏は山となっていて、住宅が並んでいます。実際に上に登ってみると、離れた場所にいてもエンジン音が聞こえてきます。離れていても音が反響し、真横で聞いているかのようです。
少しでも平穏を取り戻そうと、警察はこの日から対策の強化に打って出ました。
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■通行許可証あればOK 一夜明け住民は…■通行許可証あればOK 一夜明け住民は…
午後10時から翌朝5時にかけて、江の島へ渡る橋を封鎖。周囲には警察官が立ち、物理的に侵入できなくしたのです。これはおよそ30年ぶりのことです。観光客でしょうか、引き返す車が何台もみられました。島に残る車にも警察は注意を促します。
警察官「江の島って夜10時から入れないの知っていますか?」 観光客
「知らなかったです」 警察官
「さらにきょうからゲートまで閉まるんですよ」 住民など島の関係者については、これまでと同じく通行許可証を持っていればゲートを通過することができます。
一夜明けて住民に話を聞いてみました。
住民「住民を守ってくれているんだな、ありがたいなと思いますね」 住民
「騒音がうるさいとかはなかったですね。静かに夜を過ごせればいいなって、純粋にそれだけです」
(「グッド!モーニング」2024年7月15日放送分より)
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