新幹線と在来線にまたがって走行するための軌間変換装置を通過するフリーゲージトレイン=2017年3月、熊本県八代市
国が開発に取り組み、九州新幹線長崎ルートでの導入が頓挫したフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を巡り、開発を担ってきた鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)の最後の関連施設である「走行試験設備」(熊本県八代市)の撤去が10月にも始まることが14日、同機構への取材で分かった。約500億円の公金を投じた研究事業は未完のまま、事実上幕を閉じることになる。 同機構によると、10月中にも始めるのは、車輪の幅を変える装置などを含む約1・4キロメートルの設備の撤去工事。2025年度中に完了する予定。跡地には九州新幹線のレール交換に関する施設を建てる。 FGTは、車輪の幅を変えることでレール幅が異なる在来線と新幹線の両方を走行できる車両。 政府、与党が04年、長崎ルートへの導入を申し合わせ、新鳥栖(佐賀県鳥栖市)―武雄温泉(同県武雄市)間で在来線を走る予定だった。しかし車両製造コストの縮減などがうまくいかず、挫折していた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。