堺市消防局は、救急隊員が連続して出動して消防署に長時間戻れないケースで、コンビニエンスストアで食事や飲料を購入することを認めることにした。7月1日から始める。
大阪府内の堺、高石、大阪狭山の3市を管轄する堺市消防局では、昨年1年間の救急件数が前年より4・6%増えて7万741件となり、過去最多となった。
特に7、8月は暑さで体調を崩すなどして119番通報をする市民らが増えることから、救急件数も他の月に比べて突出して多くなる。昨年8月は、1カ月あたりの救急件数が初めて7千件台を記録した。
市消防局の片岡竜彦・救急課長は「次から次に救急要請を受けると、なかなか消防署に戻ることができない。救急隊員が休憩や昼食をとれず、必要な水分補給もできないケースも出てきている」と話す。
そこで、救急隊員が連続出動で消防署に戻れず、食事や水分が取れない場合、食べ物や飲み物を買うためやトイレを使うために、コンビニを利用することを認めることにした。
他の利用客らにコンビニで救急事案が発生していると誤解されないよう、駐車中の救急車のフロントガラスなどに「コンビニエンスストアを利用中です 次の出動に備えた水分と食事の摂取、トイレの利用に、ご理解をお願いいたします。」と書かれたA3サイズのパネルを掲示。救急要請があった場合は速やかに対応できるよう、車内には必ず1人以上が待機することにしている。
市消防局の救急隊は26隊あり、隊員の総数は320人(今年4月1日現在)。片岡課長は「救急隊員が次の出動に万全を期すためにも、市民のみなさんにはご理解をいただきたい」と話している。(辻岡大助)
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