5

 横浜市内の道路に現れた約6メートルの植物は、中南米原産の「アオノリュウゼツラン」といい、別名“100年に一度花が咲く植物”です。追跡取材すると、10年前から観察する人物がいました。道路に現れたヒントとなる写真を入手。そして、花は咲いたのでしょうか?

 沖縄県那覇市内の川に転落した車。中には運転手が取り残されていましたが、消防隊が救出してことなきを得ました。撮影者が翌日、現場に行くと目にしたのは水位が増した川。運転手の命運を分けたのは事故発生時刻でした。

 東京・北区赤羽の商店街で去年のクリスマス、4軒が焼ける火災が発生しました。もらい火で焼けた店は今どうしているのでしょうか?追跡取材すると、“うらめし屋”の店名で再オープンしていました。“奇妙な店名”のワケは、まさかの補償金額でした。

■ニョキニョキ登場“街のシンボル”

2024年6月、SNSで話題となった投稿写真。信号機のそばに、不思議な形の植物が生えています。 取材班が現場に向かうと、道路の中央分離帯で大勢の人たちが写真を撮っています。 見物人
「見た感じアロエみたい」
「ビックリです。こんなものがニョキニョキッと、中央分離帯にあるということ」

巨大な植物は、なんと6メートルほどの高さがあります。“謎の植物”の正体とは?専門家に聞いてみました。

東京都神代植物公園
松井映樹園長
「アオノリュウゼツランだと思います。別名“センチュリープランツ”といいます」 メキシコなどが原産のアオノリュウゼツラン。数十年に1度だけ黄色い花が咲き、そのはかなさから、“100年に一度、花が咲く植物”との異名を持ちます。

しかし、なぜ外来の植物が日本の道路に現れたのでしょうか。追跡すると、10年前からリュウゼツランを観察する人物がいました。入手した写真から“ある説”が浮上しました。

まだつぼみが小さかった8日。見物人の姿も数人程度でした。ところが1週間後、つぼみの先端が黄色がかってくると人だかりができていました。皆さん写真を撮っています。 近隣住民
「上の(つぼみ)が膨らんできているので、結構早い時期に咲くのかなと思いますけど」
「やっと観光スポットができたな。キャラクター作れるなって思いました」 突如現れた“街のシンボル”に盛り上がる住民。さらに、リュウゼツランをバックに自撮りができるフォトスタンド。誰かが設置したようです。(※その後、市が撤去しました。)

次のページは

■人為的に運ばれた?いつ花咲く?

■人為的に運ばれた?いつ花咲く?

まさに、“リュウゼツラン・フィーバー”。この盛り上がりを利用して、ついには、こんな人まで現れました。

弁当店
「お花が咲いたら100円引きになります」

100年に一度咲くといわれるリュウゼツラン。近くにある弁当店では開花に合わせて割引をするといいます。

ほっかまんてん 環二上永谷店
益田夏帆さん
「アオノリュウゼツランが開花するかもしれないので、それにちなんで100円引きになる券を」

豚丼550円が開花中は450円に!リュウゼツラン人気にあやかろうと、急きょチラシを作ったそうです。

そもそもこの人気作りに一役買ったSNSの投稿者は、現場近くにある寺の住職でした。 貞昌院
亀野哲也住職
「10年くらい前ですが、小さなアロエのような植物が生え始めたのを見つけた。今年の5月ぐらいから(茎が)急に伸びてきました。最近になって背の高さより高くなった」 5月中旬 10年前は、茎がなかったのですが、5月中旬の写真では3メートルほどの高さに伸び、その1カ月後にはおよそ6メートルまで成長していました。

それにしても、一体なぜリュウゼツランがこの場所にあるのでしょうか?住職は、リュウゼツランを発見した10年ほど前、ある光景を目撃していました。

亀野住職
「ちょうどリュウゼツランが芽吹いた時期にハッカチョウという鳥が大発生して。そういう鳥たちも種を運ぶのに一役かっているのではないか」

鳥によってリュウゼツランの種が運ばれたのではないかというのです。しかし、専門家はこのように指摘します。

松井園長
「鳥とかの動物が(食べて)運ぶのは、硬い種子で(リュウゼツランの種は)食べると消化されると思います。土に混じって運ばれてくるとか、人為的に運ばれたのかと」 中央分離帯の植物を植える際、持ってきた土の中にリュウゼツランの種が混じっていたのではないかと言います。100年に一度咲くと言われるリュウゼツラン。果たしていつ咲くのでしょうか?6月20日時点では、まだつぼみでした。 見物人
「毎日毎日撮りにきます!今から期待していますけど、(咲いたら)その場には絶対にいたい」

次のページは

■奇跡のタイミング…満潮なら水没か

■奇跡のタイミング…満潮なら水没か

突き破られた柵、その先の川には一台の車が転落していました。

沖縄県那覇市で9日、軽自動車が川に転落する事故が発生しました。半分近く水につかった車の中には、運転手が取り残されています。

およそ5分後、駆け付けた消防隊員が腰まで水につかりながら運転手を救出。5メートルほどの高さから転落したにもかかわらず、警察によると、60代の運転手は命に別状ありませんでした。まさに“九死に一生”です。

さらにもう一つ、運転手の命運を分けたのは“発生時刻”でした。旅行中に事故を目撃したという撮影者が、翌日同じ場所で目にしたのは…。

撮影者
「次の日に同じ川を見たら水の高さが、藻があるところくらいまで。満潮でした」

事故現場は、海からおよそ500メートル。潮位の変化の影響を受けやすい場所でした。

同じ川の水位が低い時の様子は、高い時と見比べると水位が1メートルほど違うことが分かります。 もし事故当時、満潮だったら車は水没していた可能性があったと撮影者は言います。 撮影者
「(事故当時は)ちょうど干潮でした、一番水位が低い時です」

事故が起きたのは午後2時すぎ。この日の那覇の満潮は朝と夜の2回、タイミングが違えば命にかかわっていたかもしれません。

次のページは

■インパクト大の店名

■インパクト大の店名

去年12月、クリスマスの日に東京・北区赤羽の商店街で起きた火災。焼き肉店からの出火が原因とされ飲食店など計4軒が焼けたものの、幸い大きなけがをした人はいませんでした。 あれからおよそ半年、焼けた建物はほとんどが撤去され、更地となっていました。 かつてこの場所には大衆居酒屋がありました。取材を進めると、もらい火で焼けた店が奇妙な店名で再オープンしていることが分かりました。追跡すると、その理由が明らかになりました。

当時働いていた店員から話を聞くことができました。

焼けた店の元従業員
「隣の裏が燃えていて『みんな逃げよう』となって。時間が経ったら(働いていた店も)炎が出ていた。店が燃えて(なくなり)“うらめし屋”ができました」

再オープンした店名は「うらめし屋」!?

火災現場からおよそ150メートルの所にありました。その名も「居酒屋燃えた うらめし屋 赤羽」なんともストレートな名前ですが、客はこのように話します。 初めて来た客
「燃えたことをSNSで知って(店名が)面白そうなので来ました」
「燃えた後に復活して、頑張っているので応援しに来ました」 店名のインパクトが話題になり、大勢の客でにぎわっていました。

次のページは

■保険でまかなえず「大損」 でも…

■保険でまかなえず「大損」 でも…

“うらめしい”気持ちは、店名だけでなくメニューにも反映されています。

居酒屋燃えた うらめし屋 赤羽
濱田裕二さん
「出火元とか(店が焼けた)ことに対して“はらわたが煮えくり返る”という思いと、豚の内臓のモツ(はらわた)をかけてお通しをモツ煮にしています」

もらい火によって焼失したお店。損失額は2000万円近くに及んだといいますが…。

濱田さん
「最初は保険でまかなえると思っていた。実際に(支払われたのは)300万円くらいで、大損みたいな感じになってしまいました」

火元に重大な過失がない限り賠償請求はできず、一時は再出店を諦める事態に。

ところが、SNSに店の惨状をアップすると…。 濱田さん
「反響があって再生数が結構あった。応援してくれるコメントが多かった」 そこでクラウドファンディングで出資を募ると、180万円以上が集まり再出店することができたのです。

まさに、転んでもただでは起きない!火災で店は失ったものの、諦めない魂の炎は今もお客を明るく照らしていました。

この記事の写真を見る
・狙われる高級海産物「検挙の瞬間」サザエ次々と! なぜ増加?中国SNSに“密漁動画”・コインロッカーにナゼそれを? 利用者に聞いてみた 外国人は意外な“使い方”も…・世界が注目!秘境路線バスの旅 廃線寸前が人気スポットに 運転手泣かせ“過酷道”も・知って得する節約術続々! 物価高で再注目の「金券ショップ」で…様々な人間模様・懸賞金100万円…盗難車“奇跡の発見”に密着 専門家が警鐘「25年ルールの適用で…」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。