盛山正仁文部科学相は25日、住民の交流が希薄化している現状などを踏まえ、地域コミュニティーを活性化させる社会教育の推進方策について中央教育審議会(中教審)に諮問した。中教審は今後、生涯学習などを支援して地域振興をはかる「社会教育主事」や「社会教育士」の拡充策などを検討する。
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盛山文科相は同日開かれた中教審の総会で「少子化の深刻化、地域コミュニティーの希薄化など将来の予測が困難な時代を迎えている。変化を踏まえつつ社会教育の新たな在り方を見つめ直し、社会教育の担い手である人材などの推進策を審議してほしい」と述べた。中教審は26年ごろの答申を目指し、生涯学習分科会などで議論する。
分科会などでは講習を実施する機関の拡大や若年層への関心を高める取り組みなどを検討する。オンラインやオンデマンドといった受講形態の多様化や、ロールモデルや活躍先の提示などが議題になるとみられる。
ほかにも、公民館や民間活力の導入も視野に入れた青少年教育施設などの在り方についても議論する。文科省は答申を受け、27年の通常国会に社会教育法の改正案を提出したい考えだ。
社会教育主事は自治体の教育委員会に所属する専門職員で、大学などで決められた科目を修了すれば資格が得られる。社会教育法で人口1万人以上の市町村に置くことが定められている。同省によると、1996年の配置率は9割だったのに対し、2021年には4割に減少した。
社会教育士は教委の発令は不要で、必要な科目を履修して称号を得れば、企業やNPOなどで働きながらでも活動可能だ。
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