大阪・関西万博会場(大阪市)のトイレ棟の工事現場で3月に起きた爆発火災を受け、日本国際博覧会協会は24日、来年4~10月の開催期間中の対策方針を発表した。爆発原因とされたメタンガスの滞留を防ぐため、機械を使って強制的な排気・換気を徹底するとしている。

 協会が会場全体のガス濃度のデータを分析したところ、爆発現場のトイレ棟がある西側エリアでの検出が目立ち、トイレ棟の床下では爆発の恐れがある濃度が2~5月に76回確認された。このエリアでは屋外のイベント広場を中心に26施設が整備される予定という。

 このほかのガスは微量だったが、地中で発生したガスが、配管を通す床下空間や屋内に移ってたまると爆発の危険が高まるため、協会は各施設に、ガスを吸い込んで屋外に排出する設備や検知器を設置する。

 また、ガスの濃度測定は連日実施し、ホームページで公表することなども検討しているという。協会の藁(わら)田博行整備局長は「フルスペックの対策」と話した。対策にかかる費用は算定できていないが、総額2350億円の会場建設費が上振れすることはないという。

 一方、メタンガスは会場東側の工区の4地点でも検出されていたが、6月の調査で新たに1地点増えたという。開会式や閉会式が行われる「大催事場」の床下空間で、濃度は微量だったという。

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