京都民主医療機関連合会(京都民医連)は24日、府内で2023年に経済的な理由で受診が遅れ、死亡した事例が1件あったと発表した。加盟する29医療機関を調べた。
京都民医連によると、死亡したのは75歳男性。ホームレス状態になり、23年9月に福知山市の神社で寝ているところを発見され、保護された。男性は警備員の仕事を解雇され、所持金や通帳はなかったという。
男性は脳血管疾患の疑いなどで同月、京都協立病院(綾部市)に入院し、検査で末期の肺がんで脳に転移があることが判明。入院から44日後に肺がんで死亡した。京都民医連は男性が亡くなった背景に、経済的理由で医療費が減免される「無料低額診療」を知らなかったり、緊急時の生活保護が認められなかったりした点を指摘する。
各都道府県の民医連が調査したところ、全国では同様の死亡事例が48件あったという。京都民医連の中川洋寿会長は「コロナ禍以降、物価高も相まって受診をためらう人もいる。この一例は氷山の一角だと思う」と話した。(西崎啓太朗)
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