能登半島地震で大規模火災に見舞われた石川県輪島市の輪島朝市の商店主らが7月10日、市中心部のショッピングモールで朝市の出張開催を始める。

朝市が開催される通路で、打ち合わせをする南部雅彦さん(左)と中道肇さん=いずれも石川県輪島市で

 スーパーとホームセンターの間の通路に、朝市の象徴であるオレンジ色のテントを並べる。保冷が必要な商品は、スーパー内で売る。営業は毎日午前9時から午後6時ごろまで。

◆雨が降っても雪が降っても

 初日は20店以上が輪島塗や干物、野菜などを販売。市出身の漫画家、永井豪さんの作品「デビルマン」をあしらった組合のオリジナルTシャツも並ぶ。  会場となる「ワイプラザ」を運営する「ヤスサキ」(福井市)が3月、朝市側に開催を打診したのがきっかけとなった。通路は屋内にあり、雨や雪の日も買い物しやすい。

輪島朝市が開催されるワイプラザ=いずれも石川県輪島市宅田町で

 賃料や光熱費は無料とした。ヤスサキの執行役員営業本部長、南部雅彦さん(51)は「一緒に立ち直るきっかけになれば」と話す。組合の理事、中道肇さん(66)は「最高の場所。こんなにありがたいことはない」と感謝する。  朝市組合の組合長、冨水長毅(とみずながたけ)さん(55)は「これまで金沢や県外で出張輪島朝市をやってきたが、参加できなかった組合員もいる。市内なら動けるという方に販路を提供したい」と話した。(清水裕介、脇阪憲) 

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