鹿児島県警察本部生活安全部の元部長、本田尚志被告(60)は、個人情報を含む内部文書をライターに漏らしたとして、国家公務員法の守秘義務違反の罪で21日に起訴され、県警の野川明輝本部長は記者会見で、元部長が主張する不祥事の隠蔽を改めて否定しました。
一方で、県警は元部長が「本部長が隠蔽を指示した」と主張している警察官の盗撮事件について、野川本部長が引き続き捜査を尽くすとともに不祥事防止などの教養を行うよう求めた指示を、管轄する枕崎警察署の署長が誤解して署員に対して「捜査を中止した上で教養を行う」と伝え、2日間、捜査が中止されていたことを初めて明らかにしました。
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野川本部長もこうした経緯を十分に把握していなかったということで、警察庁は、きめ細かな確認や指示をせず捜査の基本に欠けていたなどとして、長官名で訓戒としました。
警察庁は今月24日から監察を行い本部長からも聴取し、再発防止の観点から一連の不祥事の事実確認に加えて、組織運営や職員間の意思疎通の問題など原因を分析する方針です
鹿児島県警本部長 “不祥事の隠蔽”改めて否定 会見の詳細記事はこちら
鹿児島県警察本部は21日、元生活安全部長が「本部長による隠蔽の指示があった」と主張している警察官の盗撮事件の捜査で、本部長の指示が警察署に誤って伝わり、2日間、捜査が中止されていたことを初めて明らかにしました。
警察庁や鹿児島県警の説明によりますと、枕崎警察署の巡査部長が逮捕・起訴された盗撮事件の捜査では、去年12月19日に警察署が認知し、3日後の22日には「盗撮事件の現場近くの防犯カメラに、枕崎警察署の公用車と同じ車種の不審な車両が写っている。運転しているのは、枕崎警察署の署員である可能性がある」という情報が、首席監察官から野川本部長に報告されました。
野川本部長は、この時点では証拠が乏しかったことなどから、枕崎警察署で引き続き捜査し、署員が容疑者として特定されたら本部長指揮の事件として改めて伺いを立てるよう、首席監察官に指示したということです。
一方、捜査には一定の時間を要すると想定されることから、捜査の間に同種の事案が発生しないよう、綱紀の粛正と不祥事防止のための教養を実施することもあわせて指示したということです。
ところが、首席監察官を通じてこの指示を受けた枕崎警察署の署長が内容を誤解し、署員に対して「捜査を中止した上で教養を行う」と伝えていたということです。
その結果、土日の2日間捜査が中止され、週明けに署長が「本当に捜査を中止してよいか」と首席監察官に確認したことで行き違いが発覚し、12月25日には捜査が再開されたということです。
この盗撮事件について、元生活安全部長は裁判所で行われた手続きの中で「野川本部長による隠蔽の指示があった」と主張したことから、県議会の委員会質疑でも事件の認知から逮捕まで5か月かかったいきさつなどについて質問が出ましたが、これまで県警は、捜査が一時、中止されたことなどを明らかにしていませんでした。
これについて21日、西畑警務部長は「捜査が中止されていたのは土日の2日間であり、週明けには再開されたので実質的な影響はなかった」などと述べました。
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