安倍晋三元首相(当時67)が銃撃されて死亡した事件で、殺人や銃刀法違反などの罪に問われた山上徹也被告(43)が、自身の事件が「宗教2世」と呼ばれる人たちに与えた影響を「想定していなかった」と話していることがわかった。

 弁護団が21日、報道陣に明かした。大阪拘置所に勾留中の山上被告は、事件を機に宗教2世の境遇が広く知れ渡ることになるとは思っていなかったと説明。それが「2世の人にとって良かったか悪かったかわからない」と話したという。

 山上被告は逮捕後、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額の献金をして生活がはたんし、「教団と関わりが深い安倍氏を狙った」と供述したとされる。拘置所では弁護人や一部の親族とだけ面会し、母親とは会っていないという。

 裁判員裁判に向けた公判前整理手続きが奈良地裁で進み、4回目が7月3日にある。争点整理の最中で、初公判は年明け以降とみられる。(仙道洸、佐藤道隆)

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