独創的な詩作や朗読パフォーマンスで国際的にも活躍した詩人の白石かずこ(しらいし・かずこ、本名嘉寿子=かずこ)さんが14日、心不全のため死去した。93歳。カナダ生まれ。葬儀・告別式は親族で行った。喪主は夫菱沼真彦(ひしぬま・のぶひこ)さん。  カナダ・バンクーバーで幼少期を過ごした。早稲田大在学中に第1詩集「卵のふる街」を発表。寺山修司らと交流を深め、「聖なる淫者の季節」(H氏賞)で注目を集めた。アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックといった米国のビート世代の作家の影響を受けた。  女性が性について語ることがタブー視されていた時代に、「男根」といったむき出しの言葉を現代詩に持ち込んだ。詩の朗読とジャズとの競演を試みるなど、自由で実験的な詩作を展開。従来の詩壇の枠にとらわれない積極的な活動で、女性詩人の先駆者となった。  「砂族」で歴程賞、「現れるものたちをして」で高見順賞と読売文学賞、「浮遊する母、都市」で晩翠賞。  米アイオワ大国際創作プログラムに参加した1973年以降、世界各国の詩祭や作家会議で詩人や文学者と幅広く交流した。  詩集以外にも自伝「黒い羊の物語」やエッセー集「白石かずこの映画手帖」など多くの著書がある。98年紫綬褒章。


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