前年比でみると、遭難件数は111件(3.7%)増、遭難者数は62人(1.8%)増。死者・行方不明者は335人(前年比8人増)、負傷者が1400人(同94人増)だった。遭難者のうち約半数が無事に救出され、約4割が負傷の状態で救出、1割弱が死亡か行方不明となっている。
遭難件数は、2019年、20年と2年連続で減少したが、21年に増加に転じた。最多更新は2年連続。コロナ禍に伴う行動制限が緩和されたことに加え、アウトドア活動が近年注目されて登山者が増えていることが背景にあるとみられる。
都道府県別でみると、最も山岳遭難発生が多いのは長野県の302件、次いで東京都214件、北海道212件。遭難者が特に増えているのは富士山(97人、5年平均と比べて90%増)、高尾山(133人、同68%増)など、観光地として有名な山々が目立つ。
遭難者3506人を目的別でみると、登山(ハイキングやスキー登山、沢登りなどを含む)が77.4%。山菜・きのこ取りなどが9.4%。
遭難の原因は道迷いが33.7%と最も多く、次いで滑落(17.3%)、転倒(16.9%)、疲労(9.1%)、病気(8.6%)と続く。
遭難者のうち、40歳以上が2850人と全体の79.9%を占め、また60歳以上が1762人と全体の49.4%を占めている。死者・行方不明者では、40歳以上が307人と全体の91.6%を占め、60歳以上が225 人と全体の67.2%を占めている。
訪日外国人の山岳遭難は、発生件数100件、遭難者数145人(うち死者・行方不明者が11人) で、いずれも2018年に統計をとり始めて以降で最多となった。
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