名古屋市教育委員会は14日、滝ノ水中学校(同市緑区)の2年の男子生徒が部活中に頭を強く打ったのに、顧問が救急車を呼んでいなかったと発表した。市教委がまとめた「緊急度判断基準」によると、今回の事例は救急要請が必要だった。
母親が病院へ連れていき、男子生徒は急性硬膜外血腫と診断されたが、命に別条はないという。
市教委によると、5月25日午前9時ごろ、市内で練習試合中に相手校の生徒のひざが男子生徒の頭部に強く当たった。
引率していた顧問の20代男性教諭は、接触の瞬間を見ておらず、別の生徒から報告を受け、頭部の腫れに気づいた。生徒が受け答えができ、呼吸の乱れもないことなどから救急車を呼ばず約1時間後に生徒の母親に連絡したという。迎えに来た母親が近くの病院へ連れていき、その後、救急救命センターに緊急搬送された。
名古屋市では2022年にも小学校で児童が顔の骨を折る大けがをしたのに、救急車を呼ばず母親が119番通報して入院に至る事案があった。これを受け、市教委は救急車を呼ぶ症状例などを記した「緊急度判断基準」を作成した。今回のケースは、頭を強く打っているため治療の遅れは危険とし「救急車を呼ぶ」事例だったという。
市教委は「救急搬送の要請の徹底ができていなかった。当該校へ厳しく指導し、教育委員会の指導体制について猛省する」としている。
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